塗装発注ミスが減らない理由|目分量3つの盲点

色番違いと数量ミス、今月も現場で謝ったのは何回目でしょうか。目分量発注をやめられない塗装会社に共通する3つの構造を分解します。


1. 症状:止まるのはいつも同じパターン

2. 原因1層目:目分量が「正式な単位」になっている

3. 原因2層目:発注ルートに検算する人がいない

4. なぜ今まで放置されてきたか:直したところで見えない

5. どうすれば断てるか:計算と記録を分業させない

症状:止まるのはいつも同じパターン

外壁塗装の現場で塗料が届いたら色番が違う。数量が半端に足りず、追加発注で工程が半日飛ぶ。よくある話です。

しかも止まる現場には共通点があります。発注者が現場監督本人ではなく、職人からの伝聞だったケースです。「あと2缶くらい」「クリマイの3分艶で」という口頭の目分量が、そのまま電話で塗料屋に伝わり、そのまま発注書になっています。

現場が10件あれば、電話とメモの往復だけで月20時間は溶けている会社も珍しくありません。人手を増やしても解決しないのは、これが「人の問題」ではなく「情報が一度も数値化されないまま流れる仕組みの問題」だからです。

原因1層目:目分量が「正式な単位」になっている

塗料の必要量は本来、塗装面積と標準塗布量(材料が単位面積あたりどれだけ必要かの基準値)と希釈率から計算できます。ところが多くの現場では、この計算が誰の頭の中にも文書として残っていません。

職人の経験値が唯一の基準になっているため、「大体1.5缶」が発注書では「2缶」になり、現場では「1缶で足りた」という食い違いが起きます。計算式がないから、誰が発注しても同じ数字にたどり着けないのです。

原因2層目:発注ルートに検算する人がいない

電話発注は「聞き返し」で成立している

電話でのやり取りは、聞いた側が復唱して初めて成立します。復唱を省略すれば、色番の桁1つ、缶数の1つが簡単に抜け落ちます。

メモは誰のためのメモか

メモ書きは書いた本人しか読めない前提で作られています。現場監督が変わった瞬間、そのメモは意味を失います。

つまり発注のフローに、第三者が数字を確認する工程が最初から組み込まれていません。ミスを防ぐ仕組みではなく、ミスが起きて当然の仕組みで発注が回っています。

なぜ今まで放置されてきたか:直したところで見えない

発注ミスによる手戻りは、工程表には「遅延」としか残りません。原因が色番なのか数量なのか、担当者の記憶が頼りで、翌月には忘れられています。

しかも塗装会社の経営は今、発注の精度どころではない外圧にもさらされています。職人不足と資材高騰に加え、中東情勢による原油・ナフサ供給不安が塗料価格そのものを押し上げていて、2026年に入ってからは倒産件数も前年同期比で増加している状況です。目の前の現場を回すだけで手一杯という会社が、発注フローの見直しを後回しにするのは自然な流れとも言えます。

ただ、後回しにした分だけ、色番違いの塗料はしっかり在庫として積み上がっていきます。

また色番違いか。誰が電話で伝えたか、もう覚えてない。

どうすれば断てるか:計算と記録を分業させない

断つために必要なのは根性ではなく、計算・記録・確認を1つの流れに乗せる仕組みです。面積から数量を自動で出し、色番と缶数がその場でテキストとして残り、発注者以外も同じ画面を見られる。この3つが揃えば、目分量が入り込む隙間がなくなります。

私たちイーテクノスも、もともとは塗装会社を経営する中で同じ壁にぶつかりました。職人ごとの言い回しの癖まで拾って計算する仕組みが必要だと痛感し、自社の現場で使うために作ったのがAngaです。LINEで数量を伝えるだけで、面積計算から発注書作成まで一本化できます。

電話とメモを完全になくす必要はありません。ただ、最後の検算だけは人の記憶に頼らない仕組みに置き換える。それだけで、色番違いの塗料が倉庫に積み上がる未来は防げます。

よくある質問

Q. 塗装の発注ミスはなぜ減らないのですか

目分量の数量が計算式として文書化されず、電話やメモという検算されない経路で発注に流れているためです。人を注意深くしても、数字を確認する工程自体がフローに存在しなければミスは繰り返されます。

Q. 色番違いの発注ミスを防ぐ具体的な方法はありますか

発注時に色番・缶数・現場名をテキストで記録し、発注者以外も同じ内容を見られる状態にすることです。復唱や検算の工程を仕組みに組み込むことで、聞き間違いや書き間違いを減らせます。

Q. 発注管理システムを導入する余裕がない場合はどうすればいいですか

まずは電話発注でも必ず数量と色番を復唱し、その内容をメモではなくチャットなど残る形式で共有するだけでも効果があります。仕組み化の第一歩は、記録を個人の頭からデータに移すことです。

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