塗料の在庫管理とは?二重発注が起きる理由を解説!

塗料の在庫管理とは?二重発注が起きる理由を解説!

更新日:2026年10月17日 | 約10分で読めます | 監修:井上恭介(株式会社イーテクノス 代表取締役)

倉庫の棚に同じ色番の塗料缶が何本も並び、担当者が首をかしげた経験はないでしょうか。この記事では塗料の在庫管理を紙・Excel・専用アプリ・LINEで行う場合の違いを比較します。読むと自社の在庫管理がなぜ二重発注や余剰在庫を招くのか、どの手段に切り替えるべきかが分かります。


目次

  1. 塗料の在庫管理とは何をすることか
  2. 比べる前に押さえておきたい評価軸
  3. 紙・Excel・専用アプリ・LINEを比較する
  4. 手段ごとに向いている会社・向いていない会社
  5. 在庫管理を見直す選び方と導入の手順(利用イメージ)
  6. 在庫管理を切り替えるときの注意点

塗料の在庫管理とは何をすることか

在庫管理の対象になる情報

塗料の在庫管理と聞くと、缶の本数を数えるだけと思われがちです。しかし実際に管理すべき情報は本数だけでなく、色番・希釈率・使用期限・保管場所まで多岐にわたります。外壁塗装の現場で同じ日塗工番号の塗料でも、ロットによって微妙に色味が違うことがあるため、ロット情報まで把握できていないと後から困る会社も少なくありません。

色番・希釈率・使用期限の管理が必要な理由

塗料は色番だけ一致していても、希釈率の記録が残っていないと、追加塗装のときに前回と同じ艶や仕上がりを再現しにくくなります。たとえば3分艶で仕上げた外壁の一部を後日補修する場合、希釈率の記録がなければ職人の勘に頼ることになり、見切り部分の仕上がりに差が出てしまいます。

また塗料には使用期限があり、期限切れの在庫を知らずに使うと密着不良などの不具合につながる可能性があります。色番・希釈率・使用期限の3つを合わせて管理して初めて、在庫管理と呼べる状態になります。

目視管理が長年続いてきた背景

塗装業界では長年、倉庫の棚を見て「まだ残っている」「そろそろ発注だ」と判断する目視管理が主流でした。職人数が少なく現場も限られていた時代は、この方法でも大きな支障が出にくかったためです。

しかし複数の現場を同時に抱えるようになると、誰がどの現場でどの色番をどれだけ使ったのかが見えづらくなります。目視管理が悪いのではなく、現場の数や職人の動きが増えたことで、目視だけでは追いきれなくなってきたというのが実情です。

比べる前に押さえておきたい評価軸

手間のかかり方

在庫管理の手段を比べるときは、まず記録にかかる手間を見る必要があります。現場で使った塗料の量を誰が、いつ、どこに記録するのかによって、同じ「記録する」という作業でも負担の大きさはまったく違ってきます。

ミスの起きやすさ

次に見ておきたいのが、色番の記入ミスや本数の数え間違いといった、人の手によるミスの起きやすさです。手書きや手入力の工程が多いほど、ミスが紛れ込む余地も増えていきます。

現場と事務所での共有のしやすさ

塗装会社の在庫情報は、現場で使う職人と、発注を判断する事務所の両方が見られて初めて意味を持ちます。片方にしか情報がない状態だと、事務所が「在庫があると思って発注しなかった」「もう無いと思って余分に発注した」といったズレが生まれやすくなります。

主な評価軸は次のとおりです。

  • 手間のかかり方(記録・集計にどれだけ時間がかかるか)
  • ミスの起きやすさ(記入漏れ・二重発注につながるミスの起きやすさ)
  • 共有のしやすさ(現場と事務所でリアルタイムに情報を見られるか)
  • 費用感と続けやすさ(導入や運用にかかるコストと、無理なく続けられるか)

費用感と続けやすさ

最後に見るべきは、導入や運用にかかる費用と、それを職人も含めて無理なく続けられるかという点です。どれだけ機能が優れていても、現場の職人が使い続けられなければ、結局は目視管理に逆戻りしてしまいます。

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紙・Excel・専用アプリ・LINEを比較する

紙の在庫表で管理する場合

紙の在庫表は、倉庫やトラックの荷台に貼っておき、使った分だけ手書きで減らしていくという、昔ながらの方法です。特別な準備がいらず、誰でもすぐに書き込めるという気軽さがあります。

ただし紙は現場ごとに1冊ずつ存在することが多く、事務所でまとめて見るには誰かが転記する手間が発生します。書き忘れや消えてしまった文字によって、実際の在庫数とズレが生じやすいのも紙特有の弱点です。

Excelで管理する場合

Excelは関数や色分けを使えるため、紙よりも集計や並べ替えがしやすくなります。色番ごとに残量を一覧表示したり、使用期限が近い塗料を目立たせたりといった工夫もしやすい方法です。

一方で、Excelファイルは基本的に事務所のパソコンに置かれることが多く、外壁塗装の現場にいる職人がその場で開いて更新するのは現実的ではありません。結局「現場で使った分は後で事務所の誰かが入力する」という運用になりがちで、入力のタイムラグが二重発注の原因になります。

在庫管理専用アプリを使う場合

在庫管理専用のアプリは、色番・数量・使用期限などをあらかじめ項目として用意しているため、入力のルールが統一されやすいという利点があります。バーコードや写真で記録できるものもあり、紙やExcelに比べると記入ミスを減らしやすい設計になっています。

ただし専用アプリは、職人一人ひとりがスマホにインストールして操作を覚える必要があり、現場に慣れた職人ほど「また新しい操作を覚えるのか」と抵抗を感じることがあります。機能が豊富な分、使いこなすまでに時間がかかる点は見ておく必要があります。

LINEで共有する場合

LINEは多くの職人が普段から使い慣れているため、新しい操作を覚える負担が少ないという強みがあります。グループに「〇〇邸でND-〇〇番を2缶使用」と一言送るだけで、現場と事務所がほぼ同時に情報を共有できます。

一方でLINEはあくまで会話の履歴であり、在庫表のように一覧で残量を把握する機能は備えていません。メッセージが流れていくため、後から「結局いま何缶残っているのか」を追うには、過去のやり取りをさかのぼる手間が発生します。

比較表から見える傾向

4つの手段を並べると、手間が少ない方法ほど共有のしやすさで弱く、共有や記録の精度を上げようとすると手間や費用が増えるという傾向が見えてきます。紙とExcelは入力が後回しになりやすく、専用アプリとLINEはリアルタイム性に優れる一方で、アプリは操作の習熟、LINEは一覧性という別の課題を抱えています。

手段 手間 ミスの起きやすさ 共有のしやすさ 費用感
紙の在庫表 記入は簡単だが転記が必要 書き忘れ・消失で起きやすい 現場ごとに分散しやすい 低い
Excel 集計はしやすいが入力が遅れがち 入力タイムラグで起きやすい 事務所中心で現場共有は弱い 低〜中程度
専用アプリ 項目が決まっており入力は安定 操作に慣れれば起きにくい 現場と事務所でほぼリアルタイム 中〜高程度
LINE 普段使いの延長で手軽 一覧性が低く見落としが起きやすい 即時共有はしやすいが一覧化は弱い 低い

手段ごとに向いている会社・向いていない会社

職人数が少なく現場が固定されている会社

職人が2〜3人で、担当する外壁塗装の現場がほぼ固定されている会社なら、紙の在庫表でも大きな混乱は起きにくいです。在庫を見る人が限られているため、二重発注の原因になりやすい情報の分断がそもそも起こりにくいからです。ただし代表者が現場に出ている間に事務所で発注判断が必要になると、紙では対応が遅れます。

複数現場を同時に抱える会社

外壁塗装とマンション改修を並行して抱えるような会社では、現場ごとに塗料が動くため、紙やExcelの更新が追いつかなくなりがちです。ある現場で使った分を記録し忘れたまま、別の現場担当が同じ色番を発注してしまう、という流れが起きやすくなります。こうした会社は、現場と事務所がリアルタイムで同じ情報を見られる手段が向いています。

色番の種類が多い外壁・屋根専門の会社

日塗工番号で何十色も扱う会社は、色番・希釈率・残量の組み合わせが膨大になり、目視と記憶に頼る管理はすぐに限界を迎えます。似た色番の缶が並ぶと、ベテラン職人でも取り違えることがあります。検索や絞り込みがしやすい専用アプイやExcelのほうが、色番管理との相性は良い傾向です。

事務所に専任の管理担当がいない会社

経理も発注も社長が兼任しているような体制では、入力の手間が少ない手段を選ばないと、結局は誰も更新しない「名ばかりの在庫表」になりがちです。LINEで現場から一言報告するだけの運用や、入力項目を絞った専用アプイのほうが、専任者不在の会社には続けやすいといえます。

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送られた日報が出面台帳と労務費に自動でつながり、現場ごとの粗利を確認できます。

  • 出面台帳への自動記録・労務費の自動計算
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  • 現場ごとの粗利レポート(金額が見えるのは管理者だけ)
  • 職人の言い方を覚える学習機能
  • 送信から3分間は取り消せる猶予

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在庫管理を見直す選び方と導入の手順(利用イメージ)

現状の在庫をまず棚卸しする

新しい手段を選ぶ前に、倉庫と各現場に今どれだけの塗料が残っているかを一度数える棚卸しが欠かせません。色番ごとの残量・使用期限・保管場所を紙でもよいので一覧にしておくと、その後どの手段に切り替えても引き継ぎやすくなります。

二重発注が起きている工程を洗い出す

棚卸しと合わせて、どの場面で二重発注が起きているかを振り返ります。たとえば職人が現場で足りないと判断して直接発注し、事務所の在庫表には反映されていない、といった工程のズレが典型的です。

主な洗い出しの観点は次のとおりです。

  • 誰が発注の最終判断をしているか
  • 残量の報告が現場から事務所に届くまでの経路
  • 発注してから在庫表に反映するまでの時間差

小さく始めて運用を固める

在庫管理の手段を変えるときは、全現場・全色番を一気に切り替えるのではなく、動きの多い色番や特定の現場から試すほうが失敗しにくいです。小さく始めて入力の習慣がついてから範囲を広げると、職人にも事務所にも無理のない運用になります。

利用イメージで見る在庫確認の流れ

利用イメージとして、LINEで日報を送る運用に塗料の在庫確認を組み込む場合の流れを紹介します。たとえば〇〇邸の外壁塗装を担当する職人の山田さんが、作業終了後にLINEで「〇〇邸 外壁 ND-100 残り1缶」と一言送るだけで、現場名の略称はAIが正式名称に直して記録されます。

事務所側は日報と合わせて残量の報告が自動で記録されていくため、紙の在庫表を別途更新する手間がかかりません。送信してから3分間は取り消せる猶予もあるため、職人が数量を間違えて送ってもすぐに訂正でき、現場からの報告をそのまま信頼できる仕組みになります。

在庫管理を切り替えるときの注意点

古い在庫表と新しい方法を並行させない

紙やExcelから新しい手段に切り替える際、古い在庫表を念のため残しておくと、結局どちらが正しい数字か分からなくなります。切り替えの日を決めて、その日からは旧い在庫表への入力をきっぱりやめることが、情報を一本化する近道です。

色番の入力ルールを統一する

同じ色でも「ND-100」と書く人もいれば「ND100」と省略する人もいると、検索や集計のときに別の在庫として扱われてしまいます。職人ごとに言い方や書き方が違うのは自然なことですが、事務所側で表記のゆれを吸収する仕組みがないと、在庫データの精度はすぐに崩れます。

職人の負担を増やさない工夫

在庫管理を厳密にしようとして入力項目を増やしすぎると、現場の職人が入力を面倒に感じて報告をやめてしまうことがあります。残量と色番だけなど、最低限の項目に絞って報告してもらい、希釈率や使用期限といった細かい情報は事務所側で補うくらいの役割分担が現実的です。

運用を続けるための見直しのタイミング

在庫管理の手段は、一度導入して終わりではなく、月に一度は在庫表と実際の残量にズレがないか確認する機会を設けておくと安心です。繁忙期が落ち着いたタイミングで運用ルールを見直すと、現場の実態に合わせた形に調整しやすくなります。

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よくある質問

Q. 塗料の在庫管理アプリは職人がスマホ操作に不慣れでも使えますか

専用アプイの多くは入力項目が多く、操作に慣れが必要な場合があります。一方でLINEのように普段使っているツールに在庫報告を組み込む方法なら、新しい操作を覚える負担が少なく、スマホ操作が苦手な職人でも続けやすい傾向があります。

Q. Excelで在庫管理をする場合、誰が更新すべきですか

現場ごとに職人が更新すると表記のゆれや更新漏れが起きやすいため、事務所の担当者が現場からの報告を受けて入力する形のほうが精度を保ちやすいです。ただし専任の担当者がいない会社では、更新が滞りやすい点に注意が必要です。

Q. 色番の管理だけでも紙からアプリに変える価値はありますか

色番の種類が多い外壁・屋根専門の会社では、紙だけでも検索性の差が大きく出ます。全面的な切り替えが難しくても、よく使う色番だけ先にアプイやExcelで管理し始めると、二重発注の減少を体感しやすくなります。

この記事の監修

井上恭介(株式会社イーテクノス 代表取締役)

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塗料在庫、なぜ目視管理は破綻するのか

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棚を見れば余りは分かる。でも使いかけ缶が何リットル残っているかは誰にも分かりません。目視管理が破綻する理由を、症状・原因・放置の背景・断ち方の順に分解します。


1. 症状:買い足しのはずが、また同じ色を1缶買っている

2. 原因①:在庫データが「缶単位」でしか記録されていない

3. 原因②:色番と職人の呼び方がズレたまま在庫台帳に乗る

4. なぜ今まで放置されてきたのか

5. どうすれば断てるか:記録の単位を「缶」から「使用量」に変える

症状:買い足しのはずが、また同じ色を1缶買っている

外壁塗装の現場で、ND(日本塗料工業会の色番)の同じ色番を3ヶ月で2回発注していた。倉庫の棚を見に行ったら、開封済みの缶が奥に半分隠れていた。こういう話は塗装会社なら一度は聞いたことがあるはずです。

棚を目視して「まだあるな」「もうないな」と判断する運用は、缶の中身を見ていません。見ているのは缶が「ある・ない」の二択だけです。開封済みの缶に残量がどれだけあるかは、蓋を開けて撹拌しないと分かりません。

結果として、現場は「念のため新品を買っておく」方向に倒れます。余っている色は倉庫の奥で固まり、足りない色は現場に届く前に発注し忘れる。この2つが同時に起きるのが、目視在庫管理の症状です。

原因①:在庫データが「缶単位」でしか記録されていない

多くの塗装会社の在庫管理は、発注書か納品書ベースで「◯缶入荷」という記録止まりです。缶を開けて何リットル使ったかは、日報や職人の記憶にしか残りません。

歩掛(作業1単位あたりの工数)と標準塗布量から逆算すれば使用量は推定できますが、その計算を毎回する会社はまずありません。理由は単純で、現場が10件あれば発注書の整理だけで月20時間は飛ぶからです。使用量の逆算まで手が回る余力は現場監督にも事務方にも残っていません。

つまり在庫データそのものが「缶が何個あるか」しか表現できない設計になっています。棚を見て判断する運用は、データの粗さをそのまま引き継いでいるだけです。

原因②:色番と職人の呼び方がズレたまま在庫台帳に乗る

クリーンマイルドシリコンを職人が「クリマイ」と呼び、発注担当がそれを別の類似色と混同する。塗料の世界では、正式な色番(日塗工・SR)と現場の口語がズレることがよくあります。

このズレが在庫台帳に乗ると、台帳上は「N-80が3缶ある」ことになっていても、実際に棚にあるのは色味の近い別ロットだったりします。棚を目視しても、素人目にはほぼ同じ色に見えるため、間違いに気づくのは現場で希釈率を合わせて吹付した後です。

台帳と現物のズレは、目視管理では原理的に発見できません。目で見て分かるのは色の系統だけで、ロットや正確な色番までは判別できないからです。

なぜ今まで放置されてきたのか

「困るのは月に数回」だから優先順位が上がらない

在庫のズレで実害が出るのは、買い足し忘れで現場が止まる日か、余剰在庫の廃棄費用が発生した時だけです。頻度で言えば月に数回程度なので、日々の受発注や人工の調整に比べると後回しにされ続けます。

システム導入のコストが「棚卸しの手間」に見合わない

在庫管理システムを入れるとなると、既存の缶すべてにバーコードを貼るような初期作業が発生します。中小の塗装会社にとって、この初期投資は「今困っていないなら後でいい」と判断されがちです。

この2つが組み合わさって、目視管理は何年も温存されます。壊れているのは分かっているが、壊れ方が致命的ではないので直さない、という状態です。

どうすれば断てるか:記録の単位を「缶」から「使用量」に変える

根本原因は、在庫データが缶単位の粗い解像度しか持っていないことでした。断つには、使用した量をその場で記録する仕組みに変えるしかありません。

現場で使った分をスマホから数量入力するだけで、残量が自動計算される。色番も職人の呼び方ではなく登録データから選ぶので、クリマイとクリーンマイルドシリコンの表記ズレも起きません。

私たちイーテクノスは塗装会社を自社で経営していて、この棚卸しのズレに何度も泣かされてきました。その経験から、現場の使用量をLINEで簡単に記録し在庫を自動更新するAngaを作りました。棚を見に行く前に、スマホで残量が分かる状態を作れます。

棚を見て「まだあるな」はもう信じてない。開けてみないと分からないから。

よくある質問

Q. 塗料の在庫管理はエクセルでも十分ですか

缶単位の入出庫を記録するだけならエクセルでも運用できます。ただし使いかけ缶の残量までは反映できないため、余剰在庫や買い足し忘れの根本原因は解決しません。使用量まで記録できる仕組みと組み合わせる必要があります。

Q. 棚卸しの頻度はどれくらいが適切ですか

月1回の棚卸しが一般的ですが、使いかけ缶の残量まで正確に把握するのが目的なら、棚卸しの頻度を上げるより、現場で使うたびに使用量を記録する運用に変える方が効果的です。

Q. 色番の管理ミスを防ぐにはどうすればいいですか

職人の口語(クリマイなど)と正式な色番(日塗工・NDなど)がズレやすいのが原因です。発注や在庫登録の際に正式な色番データから選択する運用にすると、表記ゆれによる誤発注を減らせます。

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廃盤カラー発注ミスは目視在庫管理が原因だった

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缶を見て「まだあるな」で発注する。その判断が、廃盤カラーの在庫と急な欠品を同時に生みます。紙・Excel・専用アプリで何が変わるのか、比較しながら整理します。


1. 倉庫の棚を見ただけでは「使える在庫」はわからない

2. 紙・Excel・専用アプリで何が変わるか

3. 手間とミス率は「入力の手間」でほぼ決まる

4. 共有のしやすさとコストは経営者が一番気にすべき軸

5. 倉庫の目視管理から抜け出す一歩

倉庫の棚を見ただけでは「使える在庫」はわからない

外壁塗装の現場を10件抱える会社なら、倉庫には20色以上の色番(日塗工番号)が並びます。缶を目視して「まだ半分ある」と判断しても、それが今月の現場で使う色かどうかは別問題です。

塗料メーカーは数年おきに色番を廃盤にします。倉庫に残った旧色番の在庫は、次に発注書を書く新人にとってはただの「見たことのある缶」でしかありません。色番と数量、そして「今も現行品かどうか」がセットで管理されていないと、廃盤カラーをそのまま追加発注してしまう事故が起きます。

目視管理が続く現場でよくある光景

塗料屋の閉店間際に駆け込んで、在庫があるはずの色を発注し直す。倉庫にはまだ8割残った同じ色の缶が眠っている。これは在庫管理が「ある・ない」の二択でしか行われていないために起きます。数量も色番の現行性も、誰も記録していないからです。

紙・Excel・専用アプリで何が変わるか

在庫管理の手段を変えると、ミスが減る場所と手間が増える場所が入れ替わります。まず全体像を比較表で見てから、なぜその差が生まれるのかを解説します。

手段 手間 ミス率 共有のしやすさ コスト
紙台帳 記入は簡単だが倉庫往復が必須 色番の手書き誤読が多い 現物を見せるまで共有できない 初期費用ゼロ
Excel 入力は楽だが転記漏れが起きる 似た色番の入力ミスが残る 更新のたびに古い版が出回る ソフト代のみで低コスト
専用アプリ 現場で入力してその場で反映 色番マスタと連動しミス減 スマホで全員が同じ数字を見る 月額費用はかかる

手間とミス率は「入力の手間」でほぼ決まる

紙台帳は書く手間こそ小さいものの、倉庫と事務所を往復しないと最新の数字がわかりません。現場監督が5人いれば、5人が別々のタイミングで在庫を消費します。紙に反映されるのは、誰かが倉庫に行って数えた瞬間だけです。

Excelは一見便利に見えますが、実態は「紙をパソコンに移しただけ」の会社がほとんどです。色番のセルを手入力するため、N-80とND-80のような似た表記を打ち間違えるミスがなくなりません。共有も、ファイルをメールで送った時点の情報で止まります。誰かが更新した瞬間、他の人が見ているのは古い版ということが日常的に起こります。

専用アプリの強みは、発注や消費の記録がその場でデータに反映される点です。現場で使った缶数をスマホで打てば、倉庫の残数と色番の現行性が同時に更新されます。人が「覚えておく」「後で転記する」工程そのものをなくすので、廃盤カラーの見落としが構造的に起きにくくなります。

共有のしやすさとコストは経営者が一番気にすべき軸

元請から急な追加工事の相談が来たとき、在庫があるかを即答できるかどうかは信用に直結します。紙やExcelだと「倉庫に確認します」で一呼吸置くしかありません。専用アプリなら手元のスマホでその場で答えられます。

コストで見ると、紙やExcelは追加費用がかからない分、初期コストは低く見えます。ただし発注ミスによる廃盤カラーの買い直しや、過剰在庫の廃棄という形で、見えないコストが毎月少しずつ積み上がります。専用アプリは月額費用が発生しますが、ミスと二度手間を減らす方向にコストが移動するイメージです。

倉庫の目視管理から抜け出す一歩

私たちイーテクノスも、もともとは塗装会社として現場を回してきました。代表の井上自身、倉庫の缶を数えて発注書を書く日々の中で、廃盤カラーを気づかず発注しかけた経験があります。その反省から生まれたのが、塗料の色番と数量をスマホで管理できるAngaです。

倉庫見て『まだあるな』でずっとやってきたけど、廃盤の缶だったんだよな

倉庫に行かなくても在庫と現行性が見える状態を作れば、目視確認そのものが不要になります。紙やExcelの限界を感じているなら、一度アプリでの管理を試してみる価値はあります。

よくある質問

Q. 塗料の在庫管理はExcelでも十分ですか

現場が1〜2件なら十分回ります。ただし現場が増えると、色番の手入力ミスと更新の反映漏れが同時に増えます。5現場を超えたあたりから、専用アプリへの切り替えを検討する会社が多いです。

Q. 廃盤カラーの発注ミスをなくす一番簡単な方法は何ですか

色番と現行性をセットで記録する仕組みを持つことです。倉庫の目視や紙台帳では現行品かどうかまで管理しきれません。発注時に自動で警告が出る仕組みがあると、確認の手間自体が減ります。

Q. 在庫管理アプリを導入すると現場の負担は増えませんか

入力の手間は多少増えますが、発注書作成や在庫確認の電話といった二度手間が減ります。トータルで見ると、月20時間かかっていた在庫関連作業が半分以下になったという声もあります。

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塗料在庫が崩れる真因は表でなく発注の勘

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色番を紙に書いても在庫は合いません。塗装会社で色合わせ失敗が繰り返される理由を、発注の仕組みから分解します。


1. 3回に1回は塗り直している現実

2. 原因層1:発注が「勘」で完結している

3. 原因層2:色番の管理単位が人によって違う

4. なぜこの問題は何年も放置されるのか

5. 仕組みで断つという選択肢

3回に1回は塗り直している現実

外壁塗装の現場で、前回と同じ色番のはずなのに微妙に色が違う。そんな経験がある監督は少なくないはずです。

日塗工番号は合っているのに、艶が違う。希釈率が違う。同じ色番でもロットが違えば発色は微妙にずれます。それを知らずに「余ってた塗料だから」と使って、施主にクレームが入る。

塗り直しは歩掛(作業1単位あたりの工数)を丸ごと食います。1回の色合わせ失敗で、半日の人工が飛ぶことも珍しくありません。10現場あれば1〜2件はこの手のトラブルが起きている会社も多いのではないでしょうか。

原因層1:発注が「勘」で完結している

多くの塗装会社では、発注量を決めるのは監督の経験です。標準塗布量から逆算はしていても、余った塗料が何缶、どの現場のどの色番として倉庫に眠っているかは誰も把握していません。

記録が「現場終了」で止まる

発注の記録は現場が始まる前に作られます。ところが現場が終わった後、余った塗料が何色番で何リットル残ったかを記録する工程が、そもそも会社の仕組みに存在しません。

入口の記録はあっても、出口の記録がない。これが在庫と現実のズレを生む最初の層です。

原因層2:色番の管理単位が人によって違う

日塗工番号だけを控えている会社もあれば、メーカー名と艶(3分艶など)まで書く会社もあります。同じ会社の中でも、監督によって記録の粒度がバラバラなことは珍しくありません。

ベテランは色番だけで職人の癖まで思い出せます。クリマイと略しても頭の中でクリーンマイルドシリコンだと変換できる。ですが新人や別班の職人にはその略語が伝わりません。

結果、同じ缶を指して「これ使える」「いや別物」と現場で言い合いになる。管理表自体は存在していても、書式が揃っていないので在庫として機能していないのです。

なぜこの問題は何年も放置されるのか

在庫管理表を作ろうという話は、どの塗装会社でも一度は出ます。実際にExcelで管理表を作った会社も多いはずです。

ですが更新する人が固定されず、現場が忙しくなると誰も入力しなくなる。半年後には誰も見ない表になっている。これはよくあるパターンです。

根本の理由は、在庫管理が「誰か一人の善意」に依存する仕組みだからです。発注した人、余らせた人、次に使う人が別々で、情報を渡す担当が決まっていない。属人化した仕組みは、担当者が辞めた瞬間に崩壊します。

色番は合ってたのに、艶が違って施主に指摘された。あれは堪えた。

仕組みで断つという選択肢

精神論で「ちゃんと記録しよう」と号令をかけても、現場は変わりません。記録する場所と方法を、発注の流れそのものに組み込む必要があります。

発注のついでに記録が残る形に

理想は、発注した瞬間に色番・数量・現場名が自動で紐づき、余った分もそのまま在庫として残る仕組みです。別の帳票を後から作る手間をなくすことがポイントです。

私たちイーテクノスも塗装会社を経営していて、この問題に長年悩まされてきました。LINEで発注していた頃、聞き返しのやり取りだけで色番の行き違いを何度も防いだ経験があります。その経験から、発注そのものが在庫記録になるツールとしてAngaを作りました。

管理表を新しく作る前に、発注の流れをどう変えるかを先に考えてみてください。それだけで、余った塗料が「使える資産」に変わります。

よくある質問

Q. 塗料の在庫管理はExcelでも十分ですか

入力する人が固定されていて、更新を忘れない仕組みがあれば十分機能します。ただし多くの会社では更新担当が忙しくなると止まり、半年後には使われなくなるケースが多いです。発注のタイミングで自動的に記録が残る仕組みの方が長続きします。

Q. 色番が合っているのに塗り直しになるのはなぜですか

同じ日塗工番号でもメーカーやロットが違うと発色や艶にわずかな差が出るためです。特に3分艶などの艶指定や希釈率の違いは、色番だけの記録では見落とされやすく、現場での色合わせ失敗につながります。

Q. 余った塗料はどのくらいの期間保管して使い回せますか

塗料メーカーが定める保管期限内であれば使用可能ですが、缶の状態や保管環境によって劣化具合が変わります。色番だけでなく購入日や保管場所も記録しておくと、次の現場で使える塗料かどうかの判断が早くなります。

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塗料在庫が崩壊する3つの原因と発注の断ち方

塗料在庫が崩壊する3つの原因と発注の断ち方

棚に余った塗料は開けたら未使用でも中古扱いです。捨てるに捨てられず積み上がる理由は、根性論ではなく発注の仕組みそのものにあります。


1. 棚の奥に3分艶が2缶、なぜか誰も気づかない

2. 原因① 在庫が「数字」になっていない

3. 原因② 急な買い出しの方が「安く」見える

4. 原因③ 廃棄コストが「見えない経費」だから

5. 棚卸しをやめて、発注の入口を変える

棚の奥に3分艶が2缶、なぜか誰も気づかない

外壁塗装の現場が終わって余った塗料を、とりあえず棚に戻す。これ自体は珍しい判断ではありません。

問題はその後です。次の現場で同じ色番(日塗工の番号)が出た時、棚の在庫を確認するより先に、塗料屋に電話して新品を発注してしまう。

結果、棚には開封済みの半端な量が眠り続け、発注書には毎回フルセットの数量が並びます。半年後に棚を見ると、同じような色のシリコン塗料が3缶も4缶も出てくる。これが多くの塗装会社で起きている光景です。

原因① 在庫が「数字」になっていない

在庫管理と聞くと大掛かりなシステムを想像しがちですが、実態はもっと手前の話です。

そもそも「今、棚に何がどれだけあるか」が数字になっていません。目視と記憶だけが頼りです。現場が5件、10件と重なれば、誰の頭の中にも正確な残量は残りません。

記憶に頼る限り、精度は上がらない

人工(にんく)の割り振りや工程管理は日報で追えても、資材だけは「棚を見ればわかる」という前提で運用されがちです。見ればわかるはずの棚が、実は一番ブラックボックスになっています。

原因② 急な買い出しの方が「安く」見える

在庫を数値化するには、入庫と出庫を記録する手間がかかります。歩掛(作業1単位あたりの工数)を計算するのと同じで、最初は面倒に感じます。

一方、急な買い出しは「その場で解決する」という即効性があります。監督からすれば、棚の在庫を調べて数量を突き合わせるより、塗料屋に電話して届けてもらう方が早い。

この「今日の楽さ」が積み重なった結果が、月末の請求書に乗ってくる余分な発注です。一件あたりは数千円でも、現場が10件あれば月に数万円単位の無駄買いになっているケースは少なくありません。

原因③ 廃棄コストが「見えない経費」だから

余剰在庫を捨てる時、産廃費用は別枠で計上されることが多く、資材費の無駄として認識されにくい構造があります。

塗料は開封後の保管期限もあり、希釈率の調整が難しくなった缶は結局処分行きです。この処分費が「仕方ない出費」として毎年同じように発生し続けます。

誰も悪くないのに、誰も止められない。これが放置され続ける最大の理由です。担当者を責めても、仕組みが変わらなければ同じことが翌年も起きます。

棚卸しをやめて、発注の入口を変える

数値化を「棚卸し作業を増やすこと」だと捉えると、現場は必ず反発します。監督も職人も、事務作業を増やしたくて塗装業をやっているわけではありません。

断つべきは棚卸しの頻度ではなく、発注する瞬間の判断材料です。発注する時に「今どの現場にどの色番がいくつあるか」がその場で見えれば、電話する前に手元で答えが出ます。

私たちイーテクノスも、もともとは塗装会社として同じ悩みを抱えていました。現場ごとの在庫が決算まで見えず、余剰も欠品も後から気づく状態が続いていたのです。

棚に何本あるか聞かれて、見に行かないと答えられないのが当たり前でした。

そこで開発したのが、LINEで発注すれば在庫と紐づいて記録されるAngaです。特別なアプリを覚える必要はなく、普段のLINEのやり取りの延長で、棚の中身が数字として残っていきます。

棚を見て考える前に、手元の画面で答えが出る。それだけで、急な買い出しも余剰廃棄も、少しずつ減らせます。

よくある質問

Q. 塗料の在庫管理はエクセルでも十分ですか

件数が少ないうちは十分ですが、現場が増えると入力が追いつかず更新が止まりがちです。発注のタイミングで自動的に記録が残る仕組みでないと、結局は目視確認に戻ってしまいます。

Q. 余った塗料はどこまで保管しておくべきですか

開封後は希釈済みの状態や保管環境で劣化が進むため、色番と開封日を記録し、次回同じ現場が半年以内に見込めない場合は早めの使い切りか処分判断をおすすめします。

Q. 在庫管理を始めるなら何から手をつければいいですか

棚卸しから始めるより、まず発注のたびに何をどれだけ使ったか記録する仕組みを作ることが近道です。発注の入口で数字が残れば、棚卸しの手間そのものが減っていきます。

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塗料在庫、二重発注と欠品が同時に起きる理由

塗料在庫、二重発注と欠品が同時に起きる理由

倉庫を見て「まだあるな」で発注する会社ほど、同じ色を二重発注し、別の現場で在庫切れを起こします。紙・Excel・専用アプリ、どれが自社に合うのか比較で答えます。


1. 倉庫を見て把握する会社が、なぜ同時に余剰と欠品を起こすのか

2. 紙・Excel・専用アプリで比較すると差がはっきり出る

3. 表だけでは見えない「共有のしやすさ」の差

4. どの手段を選んでも変わらない「運用ルール」の話

倉庫を見て把握する会社が、なぜ同時に余剰と欠品を起こすのか

外壁塗装を10件同時に回している会社の倉庫には、20kg缶が何十本と並びます。ND-4050の缶とND-4060の缶が隣り合っていれば、パッと見で区別できる人はそう多くありません。

見た目の量で「まだ足りる」と判断しても、それは合計量であって現場ごとの割り当てではありません。A現場向けに確保していた缶を、B現場の職人が知らずに使ってしまう。これが余剰発注と在庫切れが同時に起きる最大の理由です。

発注担当者は倉庫を見て発注し、現場監督は現場を見て「足りない」と騒ぐ。両者が見ている場所が違う時点で、感覚での在庫把握はもう機能していません。

紙・Excel・専用アプリで比較すると差がはっきり出る

同じ「在庫を把握する」という業務でも、手段によって手間もミス率もまるで違います。まずは表で全体像をつかんでください。

手段 手間 ミス率 共有のしやすさ コスト
紙の台帳 記入は簡単だが転記・集計に時間がかかる 高い(記入漏れ・書き間違いが起きやすい) 低い(台帳が1冊しかなく複数人が同時に見られない) ほぼゼロ円
Excel 入力は事務所での手作業が中心 中程度(入力遅延で実態とズレやすい) 中程度(ファイル共有は可能だが同時編集に弱い) ほぼゼロ円(ただし作成・保守の人工がかかる)
専用アプリ 現場からスマホで即時入力できる 低い(入力と同時に全員へ反映) 高い(事務所・現場・元請けで同じ数字を共有できる) 月額費用が発生

表だけでは見えない「共有のしやすさ」の差

紙の台帳が崩壊するタイミング

紙の台帳は、書く人が1人なら回ります。崩れるのは現場が増えて、複数人が同時に在庫を動かす瞬間です。

倉庫番の職人が休みの日に、別の職人が缶を持ち出すと、台帳への記入が翌日に持ち越されます。その1日のズレが、発注担当者の頭の中の在庫数を狂わせます。

Excelが「結局誰かの手作業」に戻る理由

Excelは紙より計算が楽になりますが、入力は結局人力です。現場から事務所に戻ってから入力する運用だと、リアルタイム性は紙とほぼ変わりません。

関数でアラートを組んでも、入力が漏れれば意味を持ちません。Excelは「集計を楽にする道具」であって「入力を楽にする道具」ではないという点が見落とされがちです。

専用アプリで変わるのは入力の手間そのもの

専用アプリの強みは、現場でスマホから缶数を打つだけで、事務所の画面にも同じ数字が反映される点です。倉庫番と発注担当者と現場監督が、同じ数字を同時に見られます。

希釈率や標準塗布量から使用量を逆算する機能があれば、感覚ではなく数量で在庫を語れるようになります。

どの手段を選んでも変わらない「運用ルール」の話

手段を変える前に、決めておくべきことがあります。誰が・いつ・どの単位で在庫数を更新するか、というルールです。

アプリを導入しても、現場から「あとで入れます」が続けば紙と同じ結果になります。逆に紙でも、毎日夕方に1人が必ず集計する運用なら、そこそこ機能します。

手段そのものより、更新の頻度と担当を固定できるかどうかが分かれ目です。私たちも自社の塗装現場で、色番を間違えて余分な缶を発注した経験があり、そこから在庫を数量で見える化する仕組みを作りました。

専用アプリのAngaは、現場からスマホで在庫を更新でき、色番ごとの残量が事務所からも見えます。倉庫を見なくても、画面を見れば今どの現場に何缶あるか分かる状態を目指して作ったツールです。

倉庫見て『まだあるな』って言った次の日に、現場から電話で足りませんって言われるんですよ

よくある質問

Q. 塗料の在庫管理はExcelだけでも十分ですか

現場が2〜3件で、入力担当が1人に固定できるなら十分に機能します。ただし現場が5件を超えて複数人が在庫を動かすようになると、入力漏れとズレが増え、Excelの集計機能を活かせなくなります。

Q. 在庫管理を始めるなら何から手をつければいいですか

まずは色番ごとに現在の在庫缶数を数え直すことから始めてください。感覚値をリセットして正確な数量を把握しないと、紙でもアプリでもその後の運用が最初からズレたまま進んでしまいます。

Q. 専用アプリは職人が使いこなせますか

入力項目を色番と缶数だけに絞ったアプリであれば、スマホ操作に慣れていない職人でも数分で覚えられます。操作項目が多いアプリほど現場で使われなくなるため、シンプルさを基準に選ぶことをおすすめします。

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塗料在庫、紙・Excel・アプリ徹底比較

塗料在庫、紙・Excel・アプリ徹底比較

「多めに頼んどけば安心」その一言が、原油高騰の今は欠品と過剰在庫を同時に招きます。塗装会社が抱える在庫管理の限界を、3つの手段で比較します。


1. 倉庫の棚に18缶残っていた話

2. 紙・Excel・専用アプリ、何が違うのか

3. 改正建設業法が在庫管理にも波及する

4. 属人化を抜け出す一歩は小さくていい

倉庫の棚に18缶残っていた話

ある協力会社の倉庫で、使われないまま2年放置されていたシリコン系塗料が18缶見つかったことがあります。担当者はもう退職していて、誰も理由を知りませんでした。

「多めに発注しておけば現場が止まらない」。この判断は一見正しく見えます。ですが原油高騰で塗料価格が動く今、多めの発注は在庫コストをそのまま膨らませます。同時に、別の現場では同じ色番の在庫が足りず、急ぎ発注で割高に仕入れる。同じ会社の中で欠品と過剰在庫が同時に起きるのは、決して珍しい話ではありません。

原因は単純です。在庫の把握が特定の担当者の頭の中にしかないからです。担当者が休めば、現場監督は「多分足りるだろう」で発注し、結果として読みが外れます。

紙・Excel・専用アプリ、何が違うのか

在庫管理の手段は大きく3つに分かれます。紙の在庫台帳、Excelの管理表、そして専用アプリです。

どれも「在庫を記録する」という目的は同じですが、更新の速さと共有のしやすさで差が出ます。紙は現場から事務所に戻らないと更新できません。Excelは誰かが入力し忘れると即座に古い情報になります。アプリはスマホから現場で入力でき、他の担当者もリアルタイムで見られます。

差が生まれる理由は「入力までの距離」です。入力の手間が1つでも増えると、忙しい現場では後回しにされ、結局は記憶頼みの属人化に戻ってしまいます。

手段 手間 ミス率 共有のしやすさ コスト
紙の台帳 記入・転記に時間がかかる 高い(記入漏れ・二重発注) 事務所に戻らないと見えない 低い(台帳代のみ)
Excel管理表 入力は早いが更新忘れが起きやすい 中程度(古い情報での判断) 共有フォルダ次第だが同時編集に弱い 低い(既存ソフト活用)
専用アプリ 現場からスマホで即入力 低い(履歴が自動で残る) リアルタイムで全員が閲覧可能 月額費用がかかる

改正建設業法が在庫管理にも波及する

2025年12月施行の改正建設業法では、契約書への記載事項が厳格化され、著しく短い工期が禁止されました。天候や下地状況などのリスク情報を契約段階で明記する義務も加わっています。

これは在庫管理とも無関係ではありません。工期が明確になれば、必要な塗料の量も逆算しやすくなります。逆に言えば、在庫が「なんとなくの勘」で管理されている会社は、工期の見積もり自体が甘くなりやすいということです。

人件費上昇への対応も同時に求められる中、在庫の無駄を減らすことは、価格転嫁の根拠を示す材料にもなります。

多めに頼んどけって言うけど、結局どっちの現場も足りなかったんだよな。

属人化を抜け出す一歩は小さくていい

在庫管理を一気に完璧にする必要はありません。まずは「誰が見ても今の在庫数がわかる状態」を作ることが出発点です。

実際、資材高騰と職人不足が重なり、2026年に入ってから塗装工事業の倒産が前年より増えている状況があります。無駄な在庫や急な欠品による追加コストは、体力の少ない会社ほど重くのしかかります。

選ぶ基準は「現場での入力しやすさ」

紙やExcelがダメというわけではありません。ただ、現場からその場で入力できない仕組みは、結局は誰かの記憶に頼ることになります。

私たちイーテクノスも塗装会社を経営する中で、在庫が担当者の頭の中にしかない状態に何度も困ってきました。開発したのは代表の井上です。現場の職人がLINEで発注内容を送るだけで在庫と発注履歴が残るAngaは、そうした経験から生まれた仕組みの一つです。

完璧な管理システムを探すより、まずは今の発注のクセを誰でも見える形にすること。そこから欠品と過剰在庫の両方を減らす一歩が始まります。

よくある質問

Q. 塗料の在庫管理はExcelだけで十分ですか

小規模で現場数が少なければExcelでも運用できます。ただし現場から離れた場所での入力になりやすく、更新が遅れると在庫数と実際の残量がずれます。現場が5件を超える会社は、入力のしやすさを見直す時期かもしれません。

Q. 在庫管理を属人化させないためにまず何をすべきですか

担当者以外も在庫数を確認できる状態を作ることが最初の一歩です。紙でもExcelでも構いませんが、更新のタイミングと入力ルールを決めて、誰が見ても同じ情報にたどり着けるようにすることが出発点になります。

Q. 原油高騰で塗料の発注量はどう見直せばいいですか

多めの発注は価格変動リスクへの備えになりますが、過剰在庫と資金繰りの負担も増やします。現場ごとの使用実績を記録し、必要量に近い発注へ段階的に見直すことで、欠品と過剰在庫の両方を減らせます。

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塗料在庫が自己申告で破綻する理由

塗料在庫が自己申告で破綻する理由

築28年マンション、外壁塗装480㎡、職人3人。原油高の中、自己申告の在庫管理が招いた欠品と過剰発注の実話から、塗料在庫管理の見直し方を考えます。


1. 月曜7時、シリコン塗料が2缶足りない

2. 「自己申告」が壊れる仕組み

3. 欠品の翌週、今度は過剰発注が起きた

4. 数字を「人の記憶」から外した結果

月曜7時、シリコン塗料が2缶足りない

現場は築28年、3階建てマンションの外壁塗装です。延床480㎡、工期14日、職人は3人。日曜の夕方に主任が「上塗り用のシリコン、残り3缶あります」とLINEで報告していました。

月曜朝、実際に倉庫から出したのは1缶。棚には空き缶が2つ転がっていました。前の現場で余った分を別の職人が使い切っていたのですが、誰も在庫表に反映していませんでした。

上塗りは2日間で8缶使う計算です。足りない分は塗料店に電話しましたが、原油高の影響で入荷が週2回に減っていて、その日の配達には乗りません。結局、午前中の3時間、職人3人が現場で待機することになりました。3人×3時間=9人工分、約3万円弱がそのまま空費です。

「自己申告」が壊れる仕組み

この会社では、塗料の残量は職人の目視と記憶に頼っていました。缶のラベルに残量を書く運用はあったものの、忙しい現場では後回しになります。

在庫がズレる3つのパターン

  • 使い切っていない缶を「残りわずか」と大まかに報告する
  • 別現場から借りた缶が在庫表に反映されない
  • 色番(日塗工)が近いものを混同して数える

この現場でも、ND色の外壁用と付帯部用の缶が倉庫で混ざっていて、担当者が数え間違えていました。原油高で1缶あたりの単価が上がっている時期に、この手のズレは在庫金額のブレとしてそのまま経営を直撃します。

欠品の翌週、今度は過剰発注が起きた

欠品を怖がった主任は、次の週の発注で「多めに頼んでおこう」と判断しました。本来必要な数は上塗り用8缶、下塗り用6缶の計14缶です。実際に発注したのは20缶。

工期が終わって余ったのは5缶。原油高で塗料価格が上がっている中、使い切れない在庫を倉庫に抱えることになりました。倉庫の保管スペースも埋まり、次の現場で別の色番を置く場所がなくなるという副作用も出ています。

欠品を恐れて多く発注し、余って資金を圧迫する。この往復を、この会社は過去1年で少なくとも4回繰り返していました。1回あたりの空費は3万円から5万円程度で、年間で見ると決して小さな額ではありません。

缶が足りないと分かった時の、あの3時間の待機が一番こたえます

数字を「人の記憶」から外した結果

この会社が変えたのは、報告のタイミングと記録の仕方でした。使った缶数をその日のうちに現場ごとに記録し、色番・希釈率とセットで残量を管理する形に変えています。

次の現場、築15年の戸建て2棟同時工事(外壁200㎡×2)では、上塗り分の発注を7缶に絞り、実際の使用量は6.5缶でした。欠品も過剰在庫も出ませんでした。発注書を作る手間も、以前は現場ごとに紙とLINEを見比べて20分かかっていたのが、記録が一元化されたことで5分程度に減っています。

改正建設業法の施行で、資材高騰分の価格転嫁や契約内容の明確化が求められる流れも出ています。在庫の数字が曖昧なままでは、原価がぼやけて価格交渉の材料も作れません。

記録を人に頼らない仕組みとして、私たちイーテクノスが自社の現場で困った経験から作ったのが在庫管理アプリ「Anga」です。現場ごとの使用量と残缶数をLINEで報告するだけで自動集計され、発注の判断が「記憶」から「数字」に変わります。欠品と過剰発注の両方を減らす選択肢のひとつとして、試してみる価値はあります。

よくある質問

Q. 塗料の在庫管理はどこまで細かくやるべきですか

色番・希釈率・用途(上塗り/下塗り)ごとに残量を記録するのが目安です。現場単位ではなく缶単位で追わないと、複数現場を行き来する塗料の移動で必ずズレが出ます。原油高の時期は特に金額インパクトが大きいため注意が必要です。

Q. 職人の自己申告をやめて何を導入すればいいですか

紙の在庫表からLINE報告+自動集計への切り替えが現実的です。報告のハードルを下げつつ、その日のうちに記録する運用に変えるだけで、欠品・過剰発注の往復はかなり減らせます。

Q. 過剰発注と欠品、どちらの対策を先にすべきですか

多くの現場は欠品を恐れて過剰発注に振れる傾向があります。まず使用量の記録を正確にして、必要缶数の計算精度を上げることが先です。精度が上がれば欠品対策の在庫バッファも最小限で済みます。

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塗料在庫が崩壊する理由|余剰と欠品の同時発生構造

塗料在庫が崩壊する理由|余剰と欠品の同時発生構造

倉庫にシーラーが10缶眠っているのに、明日の現場でND-90が足りない。この矛盾は監督の腕の問題ではなく、発注の仕組みが壊れているだけです。


1. シーラーは余り、艶消しトップだけ切れる朝

2. 症状の奥にある3つの原因

3. なぜこの問題は今まで放置されてきたか

4. 仕組みで断つには何を変えるか

シーラーは余り、艶消しトップだけ切れる朝

塗料メーカーの営業所が閉店間際、駆け込みで1斗缶を買い足す監督の姿はもう珍しくありません。

倉庫を覗くと下塗り材はケース単位で余っているのに、当日仕上げに使う色番だけが足りない。よくある光景です。

在庫は積み上がっているのに欠品も起きる。これは矛盾ではなく、発注の判断基準がバラバラだから起きる当然の結果です。

症状の奥にある3つの原因

原因1:発注が「人」に紐づいている

塗料の数量は、現場監督が過去の記憶と勘で決めています。築何年のマンション改修で何缶使ったか、頭の中にしかデータがありません。

監督が変われば発注量も変わります。同じ延べ床面積の現場でも、Aさんは余裕を見て多めに、Bさんはギリギリで発注する。会社としての基準がないので、在庫は個人差の積み重ねで膨らみます。

原因2:標準塗布量と希釈率が現場ごとに違って見える

下地処理の状態、気温、職人の癖によって、同じ塗料でも使用量は変わります。標準塗布量はカタログ値通りにいかないのが実情です。

この「ブレ」を数値化せず経験則のまま扱っているので、発注のたびに読みが外れます。多めに発注して余らせるか、ギリギリで攻めて欠品するか、極端な二択になりがちです。

原因3:原油高騰で「多めに買っておく」判断が裏目に出る

資材価格が上がると、監督は値上がり前に多めに確保しようとします。心理としては自然です。

ただしこの判断も現場ごとにバラバラなので、会社全体で見ると同じ色番を複数の現場担当者がそれぞれ多めに発注し、結果として重複在庫が生まれます。塗装工事業の倒産が2026年に入って前年より増えている背景には、こうした資材高騰と資金繰り圧迫が重なっている事情があります。

なぜこの問題は今まで放置されてきたか

理由は単純で、在庫の無駄が「見えない」からです。現場が10件あれば発注書だけで月20時間は飛びますが、その時間に見合うほど在庫ロスが可視化されてきませんでした。

決算で棚卸しをして初めて「こんなに余っていたのか」と気づく会社は珍しくありません。現場ごとの利益も決算まで見えないのと同じ構造で、日々の発注はブラックボックスのまま流れていきます。

さらに改正建設業法が2025年12月に施行され、人件費上昇への対応や契約内容の明確化が求められるようになりました。人手の面でも仕組みの面でも、これまでのやり方を見直す圧力が強まっています。監督の勘に頼った発注を放置する余力は、今の塗装会社にはもう残っていません。

仕組みで断つには何を変えるか

精神論で「もっと丁寧に発注しよう」と言っても解決しません。断つべきは仕組みの3点です。

  • 発注データを個人の記憶ではなく会社の記録として残す
  • 現場ごとの使用実績を色番単位で蓄積し、次回発注の根拠にする
  • 在庫の重複を人が気づく前にシステムが警告する

この3つが揃えば、監督が変わっても発注の精度は落ちません。逆に言えば、この3つが揃わない限り、余剰在庫と欠品は原油価格が下がっても繰り返し起きます。

私たちイーテクノスも塗装会社を経営していて、まさにこの発注のブレに悩んできました。色番を間違えて余分な1斗缶を抱えた経験もあります。その反省から自社の現場で使うために作ったのがAngaです。現場ごとの使用実績を記録し、発注の勘を数字に置き換える仕組みを組み込んでいます。まずは自社の在庫がどれだけ「見えていない」か、棚卸しの数字と発注履歴を並べてみることから始めてみてください。

倉庫の在庫と現場の在庫、頭の中でしか繋がってなかったんですよね

よくある質問

Q. 塗料の在庫管理はエクセルでも十分ですか?

現場数が数件なら十分機能します。ただし現場が10件を超えると、色番ごとの使用実績と発注履歴を手入力で追いきれなくなり、更新漏れが欠品や重複発注の原因になります。現場数が増えた段階で仕組み化を検討する目安になります。

Q. 監督の経験に頼る発注のどこが問題なのですか?

経験自体は資産ですが、個人差が会社全体の基準になっていない点が問題です。監督が交代した途端に発注精度が落ちたり、複数の現場で同じ色番を重複発注したりする原因になります。

Q. 原油高騰で在庫を多めに持つのは正しい対策ですか?

短期的には価格上昇の回避になりますが、現場ごとに判断が分かれると会社全体で重複在庫が積み上がります。値上がり局面こそ発注量を会社単位で管理し、色番ごとの必要数を可視化することが有効です。

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