廃盤カラー発注ミスは目視在庫管理が原因だった

廃盤カラー発注ミスは目視在庫管理が原因だった

缶を見て「まだあるな」で発注する。その判断が、廃盤カラーの在庫と急な欠品を同時に生みます。紙・Excel・専用アプリで何が変わるのか、比較しながら整理します。


1. 倉庫の棚を見ただけでは「使える在庫」はわからない

2. 紙・Excel・専用アプリで何が変わるか

3. 手間とミス率は「入力の手間」でほぼ決まる

4. 共有のしやすさとコストは経営者が一番気にすべき軸

5. 倉庫の目視管理から抜け出す一歩

倉庫の棚を見ただけでは「使える在庫」はわからない

外壁塗装の現場を10件抱える会社なら、倉庫には20色以上の色番(日塗工番号)が並びます。缶を目視して「まだ半分ある」と判断しても、それが今月の現場で使う色かどうかは別問題です。

塗料メーカーは数年おきに色番を廃盤にします。倉庫に残った旧色番の在庫は、次に発注書を書く新人にとってはただの「見たことのある缶」でしかありません。色番と数量、そして「今も現行品かどうか」がセットで管理されていないと、廃盤カラーをそのまま追加発注してしまう事故が起きます。

目視管理が続く現場でよくある光景

塗料屋の閉店間際に駆け込んで、在庫があるはずの色を発注し直す。倉庫にはまだ8割残った同じ色の缶が眠っている。これは在庫管理が「ある・ない」の二択でしか行われていないために起きます。数量も色番の現行性も、誰も記録していないからです。

紙・Excel・専用アプリで何が変わるか

在庫管理の手段を変えると、ミスが減る場所と手間が増える場所が入れ替わります。まず全体像を比較表で見てから、なぜその差が生まれるのかを解説します。

手段 手間 ミス率 共有のしやすさ コスト
紙台帳 記入は簡単だが倉庫往復が必須 色番の手書き誤読が多い 現物を見せるまで共有できない 初期費用ゼロ
Excel 入力は楽だが転記漏れが起きる 似た色番の入力ミスが残る 更新のたびに古い版が出回る ソフト代のみで低コスト
専用アプリ 現場で入力してその場で反映 色番マスタと連動しミス減 スマホで全員が同じ数字を見る 月額費用はかかる

手間とミス率は「入力の手間」でほぼ決まる

紙台帳は書く手間こそ小さいものの、倉庫と事務所を往復しないと最新の数字がわかりません。現場監督が5人いれば、5人が別々のタイミングで在庫を消費します。紙に反映されるのは、誰かが倉庫に行って数えた瞬間だけです。

Excelは一見便利に見えますが、実態は「紙をパソコンに移しただけ」の会社がほとんどです。色番のセルを手入力するため、N-80とND-80のような似た表記を打ち間違えるミスがなくなりません。共有も、ファイルをメールで送った時点の情報で止まります。誰かが更新した瞬間、他の人が見ているのは古い版ということが日常的に起こります。

専用アプリの強みは、発注や消費の記録がその場でデータに反映される点です。現場で使った缶数をスマホで打てば、倉庫の残数と色番の現行性が同時に更新されます。人が「覚えておく」「後で転記する」工程そのものをなくすので、廃盤カラーの見落としが構造的に起きにくくなります。

共有のしやすさとコストは経営者が一番気にすべき軸

元請から急な追加工事の相談が来たとき、在庫があるかを即答できるかどうかは信用に直結します。紙やExcelだと「倉庫に確認します」で一呼吸置くしかありません。専用アプリなら手元のスマホでその場で答えられます。

コストで見ると、紙やExcelは追加費用がかからない分、初期コストは低く見えます。ただし発注ミスによる廃盤カラーの買い直しや、過剰在庫の廃棄という形で、見えないコストが毎月少しずつ積み上がります。専用アプリは月額費用が発生しますが、ミスと二度手間を減らす方向にコストが移動するイメージです。

倉庫の目視管理から抜け出す一歩

私たちイーテクノスも、もともとは塗装会社として現場を回してきました。代表の井上自身、倉庫の缶を数えて発注書を書く日々の中で、廃盤カラーを気づかず発注しかけた経験があります。その反省から生まれたのが、塗料の色番と数量をスマホで管理できるAngaです。

倉庫見て『まだあるな』でずっとやってきたけど、廃盤の缶だったんだよな

倉庫に行かなくても在庫と現行性が見える状態を作れば、目視確認そのものが不要になります。紙やExcelの限界を感じているなら、一度アプリでの管理を試してみる価値はあります。

よくある質問

Q. 塗料の在庫管理はExcelでも十分ですか

現場が1〜2件なら十分回ります。ただし現場が増えると、色番の手入力ミスと更新の反映漏れが同時に増えます。5現場を超えたあたりから、専用アプリへの切り替えを検討する会社が多いです。

Q. 廃盤カラーの発注ミスをなくす一番簡単な方法は何ですか

色番と現行性をセットで記録する仕組みを持つことです。倉庫の目視や紙台帳では現行品かどうかまで管理しきれません。発注時に自動で警告が出る仕組みがあると、確認の手間自体が減ります。

Q. 在庫管理アプリを導入すると現場の負担は増えませんか

入力の手間は多少増えますが、発注書作成や在庫確認の電話といった二度手間が減ります。トータルで見ると、月20時間かかっていた在庫関連作業が半分以下になったという声もあります。

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98万円が78万円に化けた塗装業の値引き構造

98万円が78万円に化けた塗装業の値引き構造

築22年・延べ床38坪の戸建て、見積もり98万円が最終78万円に化けた話です。値引いたのは社長の一存でした。原価も粗利も見ないまま数字だけ動いた現場の記録です。


目次

1. 98万円の見積もりが78万円になった日

2. 値引いた20万円がどこから削られたか誰も追わなかった

3. 社長が「感覚」で判断していた本当の理由

4. 次の現場からやったこと

98万円の見積もりが78万円になった日

埼玉県内、築22年の戸建て外壁・屋根塗装です。延べ床38坪、下地はサイディング。ケレン(下地の汚れやチョーキングを落とす作業)から中塗り・上塗りまで、シリコン系で工期6日、人工は延べ8人工の見積もりでした。

塗料は外壁用が4缶、屋根用が3缶、下塗り2缶の想定で、材料費と労務費を積んで98万円。粗利率はざっくり32%で組んでいました。

元請けの担当者から電話が来たのは提出3日後です。「他社が75万円で出してきた。同じ仕様でそこまで下げられませんか」。社長は現場も見ずに即答しました。「78万円まで頑張ります」。

値引いた20万円がどこから削られたか誰も追わなかった

社長の感覚は「まあ利益は残るだろう」でした。しかし78万円に着地した時点で、原価と粗利を数字で確認した人は社内に誰もいませんでした。

実際に現場が始まると、雨で2日流れて工期が8日に延び、足場屋への支払いが追加で3万円発生。下地の傷みが想定より深く、下塗りが2缶から3缶に増えました。

数字を並べると粗利はこう変わった

材料費は当初想定の29万円から34万円に増加。人工も8人工の見積もりに対し、実際は雨天調整で9.5人工かかりました。労務費換算で単価2万円としても、想定16万円が19万円に膨らんでいます。

材料費34万円、労務費19万円、足場追加3万円、諸経費5万円。合計61万円が原価です。売上78万円から引くと粗利は17万円、粗利率はわずか21.8%でした。最初の見積もり通り98万円なら粗利は37万円、率にして37.8%あったはずの現場です。

社長が「感覚」で判断していた本当の理由

この社長を怠慢だと責めるのは簡単です。ですが取材を重ねると、多くの塗装会社で同じ構造が見えてきます。原価を出すには材料費・人工費・経費を現場ごとに集計する手間がかかり、決算までその作業を後回しにしているケースが大半です。

見積もり段階では感覚的な相場観があっても、値引き交渉が来た瞬間、その場で原価を再計算できる仕組みがない会社がほとんどです。結果、社長は「経験上、これくらいなら残るはず」という勘で数字を動かします。

現場が10件あれば、原価集計だけで月20時間は飛ぶという声もよく聞きます。忙しい現場監督にその時間を求めるのも酷な話です。だからこそ値引きのたびに利益率が削られ、決算で初めて「あの現場、赤字だったのか」と気づく会社が後を絶ちません。

次の現場からやったこと

この会社が変えたのは、値引き交渉の前に必ず原価シミュレーションを見る、というルールひとつです。営業担当か社長が、缶数・人工・経費を入力すれば粗利率が即座に出る状態を作りました。

次の現場、築15年のアパート改修(延べ床52坪)では、元請けから同じように値引き要請が来ました。今度は「20万円下げると粗利率が18%まで落ちます」とその場で数字を示せたため、値引き幅は8万円で決着しています。

私たちイーテクノスも塗装会社を自社で経営していて、まさにこの「感覚での値引き」に何度も利益を削られてきました。現場ごとの原価と粗利がリアルタイムで見えないまま、決算で数字が合わない苦しさを知っています。その経験から開発したのが、見積もり作成と原価管理を一つにしたAngaです。値引き交渉の場で粗利率を即座に確認できれば、社長の感覚は最後の判断材料の一つに戻ります。

78万円でいくって即答したの俺だけど、原価見てなかったわ正直

よくある質問

Q. 塗装業の適正な利益率はどれくらいですか

会社の固定費構造によりますが、粗利率30%前後を目安にする会社が多いです。人件費や車両費を賄った上で利益を残すには、25%を下回ると経営が厳しくなる会社が一般的です。値引き前に自社の損益分岐となる粗利率を把握しておくことが判断の軸になります。

Q. 値引き交渉の場ですぐ原価を確認する方法はありますか

見積もり作成時に材料費・人工費・諸経費をあらかじめ項目分けしておき、値引き額を入力すると粗利率が自動計算されるツールを使う方法があります。手計算やExcelでも可能ですが、交渉のスピードに追いつくにはシステム化が現実的です。

Q. 現場ごとの利益を決算まで把握できないのはなぜですか

多くの会社が見積もりと実際の原価集計を別々に管理しており、追加工事や資材のロスを都度反映できていないためです。現場終了時に実績原価を見積もりと突き合わせる仕組みがないと、赤字現場も黒字現場も決算まで気づけません。

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塗料在庫が崩れる真因は表でなく発注の勘

塗料在庫が崩れる真因は表でなく発注の勘

色番を紙に書いても在庫は合いません。塗装会社で色合わせ失敗が繰り返される理由を、発注の仕組みから分解します。


1. 3回に1回は塗り直している現実

2. 原因層1:発注が「勘」で完結している

3. 原因層2:色番の管理単位が人によって違う

4. なぜこの問題は何年も放置されるのか

5. 仕組みで断つという選択肢

3回に1回は塗り直している現実

外壁塗装の現場で、前回と同じ色番のはずなのに微妙に色が違う。そんな経験がある監督は少なくないはずです。

日塗工番号は合っているのに、艶が違う。希釈率が違う。同じ色番でもロットが違えば発色は微妙にずれます。それを知らずに「余ってた塗料だから」と使って、施主にクレームが入る。

塗り直しは歩掛(作業1単位あたりの工数)を丸ごと食います。1回の色合わせ失敗で、半日の人工が飛ぶことも珍しくありません。10現場あれば1〜2件はこの手のトラブルが起きている会社も多いのではないでしょうか。

原因層1:発注が「勘」で完結している

多くの塗装会社では、発注量を決めるのは監督の経験です。標準塗布量から逆算はしていても、余った塗料が何缶、どの現場のどの色番として倉庫に眠っているかは誰も把握していません。

記録が「現場終了」で止まる

発注の記録は現場が始まる前に作られます。ところが現場が終わった後、余った塗料が何色番で何リットル残ったかを記録する工程が、そもそも会社の仕組みに存在しません。

入口の記録はあっても、出口の記録がない。これが在庫と現実のズレを生む最初の層です。

原因層2:色番の管理単位が人によって違う

日塗工番号だけを控えている会社もあれば、メーカー名と艶(3分艶など)まで書く会社もあります。同じ会社の中でも、監督によって記録の粒度がバラバラなことは珍しくありません。

ベテランは色番だけで職人の癖まで思い出せます。クリマイと略しても頭の中でクリーンマイルドシリコンだと変換できる。ですが新人や別班の職人にはその略語が伝わりません。

結果、同じ缶を指して「これ使える」「いや別物」と現場で言い合いになる。管理表自体は存在していても、書式が揃っていないので在庫として機能していないのです。

なぜこの問題は何年も放置されるのか

在庫管理表を作ろうという話は、どの塗装会社でも一度は出ます。実際にExcelで管理表を作った会社も多いはずです。

ですが更新する人が固定されず、現場が忙しくなると誰も入力しなくなる。半年後には誰も見ない表になっている。これはよくあるパターンです。

根本の理由は、在庫管理が「誰か一人の善意」に依存する仕組みだからです。発注した人、余らせた人、次に使う人が別々で、情報を渡す担当が決まっていない。属人化した仕組みは、担当者が辞めた瞬間に崩壊します。

色番は合ってたのに、艶が違って施主に指摘された。あれは堪えた。

仕組みで断つという選択肢

精神論で「ちゃんと記録しよう」と号令をかけても、現場は変わりません。記録する場所と方法を、発注の流れそのものに組み込む必要があります。

発注のついでに記録が残る形に

理想は、発注した瞬間に色番・数量・現場名が自動で紐づき、余った分もそのまま在庫として残る仕組みです。別の帳票を後から作る手間をなくすことがポイントです。

私たちイーテクノスも塗装会社を経営していて、この問題に長年悩まされてきました。LINEで発注していた頃、聞き返しのやり取りだけで色番の行き違いを何度も防いだ経験があります。その経験から、発注そのものが在庫記録になるツールとしてAngaを作りました。

管理表を新しく作る前に、発注の流れをどう変えるかを先に考えてみてください。それだけで、余った塗料が「使える資産」に変わります。

よくある質問

Q. 塗料の在庫管理はExcelでも十分ですか

入力する人が固定されていて、更新を忘れない仕組みがあれば十分機能します。ただし多くの会社では更新担当が忙しくなると止まり、半年後には使われなくなるケースが多いです。発注のタイミングで自動的に記録が残る仕組みの方が長続きします。

Q. 色番が合っているのに塗り直しになるのはなぜですか

同じ日塗工番号でもメーカーやロットが違うと発色や艶にわずかな差が出るためです。特に3分艶などの艶指定や希釈率の違いは、色番だけの記録では見落とされやすく、現場での色合わせ失敗につながります。

Q. 余った塗料はどのくらいの期間保管して使い回せますか

塗料メーカーが定める保管期限内であれば使用可能ですが、缶の状態や保管環境によって劣化具合が変わります。色番だけでなく購入日や保管場所も記録しておくと、次の現場で使える塗料かどうかの判断が早くなります。

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雨天順延で二重出勤続出?出面管理アプリ未導入の落とし穴

雨天順延で二重出勤続出?出面管理アプリ未導入の落とし穴

朝6時、天気予報が変わって現場が飛ぶ。職人への連絡を誰が回すか、紙かExcelか専用アプリか。同じ出面管理でもミスの出方はまるで違います。


1. 雨で工程が1日ずれただけで、なぜ二重出勤が起きるのか

2. 紙・Excel・専用アプリ、出面管理を回す3つの手段を比べる

3. 表で見る手間・ミス率・共有のしやすさ・コスト

4. 導入しない会社が抱える「今のところ困っていない」の罠

5. 仕組みで防ぐという選択肢

雨で工程が1日ずれただけで、なぜ二重出勤が起きるのか

塗装工事は天気に工程が縛られます。吹付や上塗りは湿度と気温の条件が厳しく、前日まで晴れ予報でも朝の空を見て順延を決めることが珍しくありません。

問題はここからです。現場Aの職人を現場Bに回そうとしても、紙の工程表は事務所に置きっぱなし。現場監督は電話とLINEで職人一人ひとりに連絡を入れます。

5人いれば5回の電話。3現場が同時に順延したら15回です。誰かに伝え忘れると、雨の中で「今日は現場行くんですか」という電話がかかってきます。

二重出勤とは、順延した現場に来てしまう職人と、空いたはずの人工(作業員1人1日分の労働単位)を埋められず別の現場が手薄になる状態が同時に起きることです。連絡の抜け漏れが直接、人件費のロスと元請への信用低下につながります。

紙・Excel・専用アプリ、出面管理を回す3つの手段を比べる

出面管理を「紙」「Excel」「専用アプリ」で回した場合、天気による組み替えのしやすさに大きな差が出ます。

紙の工程表は書き込みが早い反面、変更が起きるたびに全員に電話かLINEで伝える必要があります。事務所にいる人しか原本を見られないのも弱点です。

Excelは共有フォルダに置けば複数人が見られますが、スマホで見づらく、現場から更新する人はほとんどいません。結局「誰かが事務所に戻ってから直す」運用になりがちです。

専用アプリは職人本人のスマホに配置変更が届くため、現場監督が個別に電話をかける手間が減ります。ここが紙・Excelとの一番の違いです。

表で見る手間・ミス率・共有のしやすさ・コスト

数字ではなく「誰が何回動くか」で比較する

評価軸は歩掛(作業1単位あたりの工数)ではなく、順延1回あたりに監督が動く回数で見るとわかりやすくなります。

紙とExcelは監督が全員に個別連絡する前提なので、現場が増えるほど手間が線形に増えます。専用アプリは配置変更を一度入力すれば全員に通知が飛ぶため、現場数が増えても監督の作業量はほぼ一定です。

手段 手間(順延1回あたり) ミス率 共有のしやすさ コスト
紙の工程表 監督が全員に個別連絡。現場5件で電話15本前後 高い(伝え忘れが起きやすい) 事務所内のみ。現場からは見えない ほぼ0円だが人件費のロスが大きい
Excel 共有フォルダ更新+別途連絡が必要 中程度(更新遅れで情報が古くなる) PCがあれば見られるが現場では見づらい ほぼ0円だが運用の手間が乗る
専用アプリ 配置変更を1回入力すれば全員に通知 低い(通知が個人のスマホに直接届く) 現場からもスマホで確認できる 月額費用はかかるが人件費ロスと相殺しやすい

導入しない会社が抱える「今のところ困っていない」の罠

出面管理アプリを導入しない理由でよく聞くのは「職人が高齢でスマホ操作に不安がある」「今は電話で回せているから」という声です。

ただし、これは現場数が5〜6件までの話です。現場が10件を超えて、しかも梅雨や台風シーズンで週に2〜3回順延が重なると、電話とLINEだけでは監督の手が回らなくなります。

新人の現場監督が配置換えを1件伝え忘れて、日塗工(日本塗料工業会の色番号)の確認どころか、そもそも現場に誰も来ない朝が発生した、という話は塗装会社の間でよく聞きます。伝達の仕組みを個人の記憶と電話に頼っている限り、同じことは繰り返します。

仕組みで防ぐという選択肢

紙やExcelを否定するつもりはありません。現場が少なく、監督が全現場を把握できているうちは十分機能します。

ただ、天気待ちの多い塗装業では「順延が重なった週」にだけ手配ミスが集中します。普段は困らないからこそ、仕組みを入れるタイミングを逃しがちです。

雨で1件飛んだだけなのに、電話代わりに一日終わってた

私たちイーテクノスも塗装会社を経営していて、まさにこの二重出勤と手配ミスに悩まされてきました。自社の現場で使うために作ったのがAngaです。天気で工程が動いても、配置変更をアプリ上で一度直せば職人全員に通知が届き、電話をかけ直す手間がなくなります。

電話とLINEでの出面管理に限界を感じ始めたら、一度アプリでの一元管理を試してみる価値はあります。

よくある質問

Q. 出面管理アプリは職人が高齢でも使えますか

通知を受け取って確認するだけの操作であれば、電話やLINEを使える方なら問題なく使えるケースがほとんどです。入力作業は監督や事務員側に寄せる運用にすれば、職人本人の負担は最小限に抑えられます。

Q. 紙やExcelから専用アプリに切り替える手間は大きいですか

既存の工程表をそのまま移行するのではなく、次の現場から新規で入力を始める会社が多いです。並行運用せず一度に切り替えた方が、紙とアプリの二重管理を避けられます。

Q. 天気による順延はアプリでどう管理すればいいですか

順延が決まった時点で配置変更をアプリ上で更新すれば、影響を受ける職人全員に自動で通知が届きます。電話をかける順番を考えたり、誰に伝えたか記憶する必要がなくなります。

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塗装発注、同じ塗料でなぜ単価差5千円

塗装発注、同じ塗料でなぜ単価差5千円

同じシリコン塗料なのに、A社は18kg缶で3万2千円、B社は2万7千円。この差に気づかず10年発注し続けている塗装会社は珍しくありません。原因と手順を解説します。


1. なぜ単価比較をせず発注し続けるのか

2. 手順1:発注前の準備|過去1年分の発注履歴を並べる

3. 手順2:発注のやり方|3社見積もりを固定ルール化する

4. 手順3:ミスを防ぐ確認|発注書と現場報告を突き合わせる

5. 仕組み化した先に残る作業をどう減らすか

なぜ単価比較をせず発注し続けるのか

塗装会社の発注は、見積もりや請求書ではなく「電話一本」で決まることが多いです。

築25年の戸建て現場で下地処理の追加が発生した朝、監督は真っ先に付き合いの長い職人に電話をかけます。段取りが早いから、と。

この「早さ」が単価の検証を飛ばす理由になります。急ぎの発注ほど、相見積もりを取る時間的余裕がないからです。

結果として、同じ日塗工の色番でも、塗料店ごとの卸値差が放置されたまま数年が過ぎます。現場が10件動いていれば、月の発注件数は50件を超えることも珍しくありません。1件あたり数百円の差でも、年間では数十万円の機会損失になります。

手順1:発注前の準備|過去1年分の発注履歴を並べる

最初にやることは、過去1年分の発注書または請求書を、塗料の種類ごとに並べることです。

シリコン、フッ素、無機と塗料グレード別に分け、同じ商品名・同じ缶サイズで発注先ごとの単価を横に並べます。エクセルでも紙でも構いません。

ここでつまずく

発注書に「品名:塗料」としか書いていないケースです。缶サイズも希釈率も書かれていないと、単価比較そのものができません。過去の発注書に品番・容量の記載がない場合は、まず今日から書式を統一するところから始めます。

手順2:発注のやり方|3社見積もりを固定ルール化する

次に、新規現場が立ち上がるたびに、主要な塗料だけは最低2社、できれば3社に見積もりを取るルールを作ります。

全ての発注を毎回比較する必要はありません。手間が現場を圧迫します。年間発注量の多い上位3品目、例えば外壁用シリコン・屋根用遮熱塗料・下塗りシーラーだけに絞れば、比較作業は月1時間程度で済みます。

ここでつまずく

「付き合いのある職人の顔を立てるため」という理由で、比較した結果を伝えずに従来通り発注してしまうケースです。比較する意味は、価格交渉の材料にすることにあります。黙って続けるなら比較した意味がありません。

手順3:ミスを防ぐ確認|発注書と現場報告を突き合わせる

発注した数量と、実際に現場で使った塗布量にズレがないかを、月末に一度だけ確認します。

標準塗布量(例:シリコン塗料で0.15〜0.2kg/㎡)から大きく外れている現場があれば、希釈率の指示ミスか、発注数量の見積もりミスのどちらかです。

新人の現場監督が色番を読み違えて、ND番号の近い色を発注してしまうこともあります。色番間違いは、発注書に色見本の写真を添付するだけで防げます。

確認のタイミングを「月末の1回」に固定すると、忙しい時期でも継続できます。毎回チェックしようとすると、結局続きません。

仕組み化した先に残る作業をどう減らすか

手順1〜3を回せば、発注先ごとの単価差は見える化できます。ただし、この作業を紙とエクセルで毎月続けるのは正直しんどいです。

発注履歴と現場ごとの原価が自動で紐づけば、比較作業そのものが要らなくなります。

付き合い長いから頼んでるだけで、単価なんて何年も見直してなかったな

私たちイーテクノスは塗装会社を経営する中で、この「発注履歴が現場ごとに残らない」問題に何年も悩まされてきました。発注管理アプリのAngaは、その経験から自社の現場のために作った仕組みです。発注先・単価・現場を紐づけて記録できるので、比較のための手作業が要らなくなります。

付き合いの長さで発注先を選ぶこと自体は、悪いことではありません。ただ、その選択が数字の裏付けを持っているかどうかで、10年後の利益は変わります。

よくある質問

Q. 塗装発注のミスで一番多い原因は何ですか

品番・容量・希釈率の記載漏れが最多です。発注書に「塗料」としか書かず、後から缶サイズや色番を電話で確認する運用だと、聞き違いによる発注ミスが起きやすくなります。書式の統一が最初の対策です。

Q. 職人ごとの単価比較はどのくらいの頻度でやればいいですか

全品目を毎回比較する必要はありません。年間発注量の多いシリコンや遮熱塗料など上位2〜3品目に絞り、月1回、過去の発注履歴を並べて確認する程度で十分です。

Q. 付き合いの長い職人への発注をやめるべきですか

やめる必要はありません。比較した結果を交渉材料にして、価格差が大きい場合だけ相談する運用が現実的です。関係を切らずに単価だけ是正できるケースが多くあります。

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職人高齢化で廃業危機、技術承継を仕組み化する方法

職人高齢化で廃業危機、技術承継を仕組み化する方法

70代の親方が辞めた瞬間、下地処理の勘所が丸ごと消える。育成を現場任せにした会社と仕組み化した会社、5年後の差はどこで生まれるのか比較します。


1. 「そのうちやる」の後継者育成が実行されない理由

2. 紙・Excel・専用アプリ、技術承継はどう変わるか

3. 数字が変わる理由は「検索できるか」の一点

4. 廃業予備軍から抜け出す最初の一歩

「そのうちやる」の後継者育成が実行されない理由

塗装会社の社長に技術承継の話を聞くと、ほぼ全員が「自覚はある」と答えます。

それでも動かないのは、育成が誰の評価にもならない仕事だからです。

職長は自分の出面(にわづら・現場への人員配置)と工程消化で頭がいっぱいで、新人に教える時間は歩掛(作業1単位あたりの工数)に含まれません。

教えても教えなくても日当は同じ。だから「見て覚えろ」で終わり、承継は現場任せのまま5年、10年と過ぎていきます。

先送りの正体は怠慢ではなく、仕組みがないことです。教える行為を記録し、評価し、共有する仕組みがなければ、どんなに危機感がある社長でも現場は変わりません。

紙・Excel・専用アプリ、技術承継はどう変わるか

技術承継を仕組み化しようとした会社が最初にぶつかるのが、記録方法の選択です。

紙のノートで職人の癖や下地処理の手順を残す会社は今も多く残っています。Excelで工程表と一緒に管理しようとする会社も一定数います。

結論から言うと、この3つは同じ「記録する」という行為でも、手間・ミス率・共有のしやすさ・コストがまったく違います。次の表で比較します。

手段 手間 ミス率 共有のしやすさ コスト
紙のノート 記入は早いが後から探すのに時間がかかる 高い(読み違い・紛失あり) 低い(現物がないと共有不可) ほぼ無料だが人件費で相殺
Excel フォーマット作成に時間がかかる 中程度(入力ミス・上書き事故) 中程度(共有フォルダ次第) 無料〜数千円だが運用負荷大
専用アプリ(Anga等) 現場でその場で記録できる 低い(写真・音声で誤読が減る) 高い(検索・全員閲覧が可能) 月額数千円〜だが探す時間が減る

数字が変わる理由は「検索できるか」の一点

表を見て分かる通り、紙とExcelは記録すること自体は可能です。

問題は、記録した後に「必要な時に引き出せるか」です。

築30年マンションの外壁改修で、3分艶(つや消しに近い低光沢の仕上げ)の希釈率を先代が独自に調整していたとします。

紙のノートなら、そのノートを探し出して該当ページを見つける手間がかかります。Excelなら、ファイルがどのPCの共有フォルダにあるか探すところから始まります。

どちらも「探す」という行為に時間を取られ、結局は口頭で聞いた方が早いという判断に流れます。これが現場任せに逆戻りする瞬間です。

専用アプリで検索できる状態にしておけば、この「探す」時間がゼロに近づきます。技術承継の仕組み化とは、記録することではなく、検索できる状態を作ることだと言えます。

廃業予備軍から抜け出す最初の一歩

廃業予備軍と呼ばれる会社に共通するのは、技術が個人の頭の中にしかない状態を放置していることです。

親方が引退した瞬間に発注先の色番(日塗工・ND・SR)の癖も、下地処理の見切りの勘所も、会社から消えます。

親父の代で辞めた職人の技術、結局誰も引き継げなかったんですよ

私たちイーテクノスも塗装会社として現場を回してきた中で、同じ悩みにぶつかりました。職人の技術メモや現場写真が個人のスマホに眠ったまま共有されず、新人育成が属人化していたのです。

その経験から開発したのが、現場の写真・音声メモ・工程情報をその場で記録し、社内で検索・共有できるアプリ「Anga」です。紙やExcelと違い、現場で撮った写真にそのまま職人のコメントを紐づけて残せるため、探す手間そのものをなくせます。

育成を仕組み化する第一歩は、大がかりな制度を作ることではありません。まずは「記録が検索できる状態」を作ることから始められます。

よくある質問

Q. 職人の高齢化が進む中、育成を仕組み化する優先順位はどこから始めるべきですか

まずは記録の一元化からです。誰がどの現場で何を教えたかを個人の記憶やノートに任せず、検索できる形で残すことから始めると、次の育成計画が立てやすくなります。制度設計はその後で十分です。

Q. Excelでの技術承継管理はどこまで通用しますか

工程表や人員配置の管理には向きますが、写真や現場の勘所を紐づけた記録には不向きです。ファイルが増えるほど探す手間が増え、結局は口頭確認に戻る会社が多いのが実情です。

Q. 若手が定着しない会社と定着する会社の違いは何ですか

教える行為が評価される仕組みがあるかどうかです。教えても給料も評価も変わらない会社では、職長のモチベーションが続かず、結果的に新人への指導が形骸化していきます。

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朝6時、塗装職人から「今日行けません」の一本。現場は築25年マンションの外壁吹付初日。代役を探す社長の頭には、電話番号すら控えていない職人の顔が浮かびます。塗装業 人手不足対策の本質は、この瞬間にあります。


1. なぜ欠員が出るたびに社長の携帯が鳴り続けるのか

2. 手順1:職人リストを紙一枚でいいから外に出す

3. 手順2:欠員発生時の連絡順を先に決めておく

4. 手順3:現場ごとの人工(にんく)を先に見える化する

5. 手順4:紙とExcelの限界が来たら、記録の場所を変える

なぜ欠員が出るたびに社長の携帯が鳴り続けるのか

塗装会社の職人手配は、多くの場合ノートや頭の中にしかありません。

Aさんは高圧洗浄が得意、Bさんは3分艶(艶消しに近い仕上げ)の吹付が丁寧、Cさんは新人の面倒見がいい。こうした情報は社長個人の経験として蓄積され、会社の資産にはなっていません。

だから欠員が出るたびに、社長本人が携帯を握って一件ずつ電話をかけます。現場監督は代役の目処が立つまで動けず、元請への連絡も後回しになります。

人手不足そのものより、「情報が個人に閉じている状態」が右往左往の正体です。まず直視すべきはここです。

手順1:職人リストを紙一枚でいいから外に出す

最初にやることは、システム導入ではありません。社長の頭の中にある情報を、紙でもスプレッドシートでもいいので外に出すことです。

書き出す項目の最低ライン

  • 職人の名前と連絡先
  • 得意な工程(下地処理・吹付・養生など)
  • 稼働できる曜日や現場エリア
  • 過去に組んだ現場との相性

ここでよくつまずくのが「そのうち整理しよう」で止まる点です。完璧な表を作ろうとすると3日かかって挫折します。

30分で作れる粗いリストで十分です。まず外に出す、それだけを目的にしてください。

手順2:欠員発生時の連絡順を先に決めておく

リストができたら、次は「誰から連絡するか」の順番を決めます。手が空いていそうな順ではなく、代役として現場に入って違和感が出にくい順です。

築古マンションの改修なら、同じ現場に過去入ったことがある職人を優先します。初めての職人だと、見切り(色や素材の境目処理)の癖が違い、監督が説明に時間を取られるからです。

ここでのつまずきは「順番を決めたのに、当日は結局思いつきで電話してしまう」ことです。順番はリストの横に書いておき、当日は考えずにそれを見て上から電話する。これだけ徹底してください。

手順3:現場ごとの人工(にんく)を先に見える化する

欠員対応が毎回長引く会社は、そもそも「この現場に今何人足りていて、何人いれば足りるか」を誰も即答できません。

現場ごとに必要人工と、実際に入っている人数を毎朝突き合わせる習慣をつけます。手書きの出面表でも構いません。

これをやると、欠員が出た瞬間に「あと1人工足りない」と即座にわかります。頭の中で歩掛(作業1単位あたりの工数)を計算し直す時間がなくなります。

現場が10件あれば、この突き合わせだけで毎朝15分は変わってきます。

手順4:紙とExcelの限界が来たら、記録の場所を変える

ここまでの手順1〜3は、紙とExcelでも十分回ります。実際、私たちイーテクノスも塗装会社として現場を持っていた時期は、ずっとそのやり方でした。

ただし現場が増え、職人の数も二桁を超えてくると、紙のリストは更新されなくなります。誰かが書き換えを忘れた瞬間に、また社長の頭の中だけが正しい情報になります。

そうなったタイミングが、記録の場所を変える潮時です。私たちはこの課題を自社で何年も抱えた末に、出面管理アプリAngaを作りました。職人の得意分野や稼働状況をスマホで共有できるようにしたのは、まさに朝の代役探しで右往左往した経験からです。

紙の運用で限界を感じたら、こうしたツールに乗り換えるという選択肢があることだけ、知っておいてください。

代役探しの電話、いつも同じ3人にしかかけてない自分に気づいた朝でした

よくある質問

Q. 職人手配を仕組み化すると、逆に職人との信頼関係が薄れませんか?

薄れません。むしろ得意分野や相性を記録しておくことで、職人本人に合った現場をこちらから提案できるようになり、信頼は厚くなる傾向があります。属人的な電話連絡こそ、職人にとっては「都合よく呼ばれるだけ」の関係に見えがちです。

Q. 職人が5人しかいない小規模な塗装会社でも仕組み化は必要ですか?

人数が少ないほど1人の欠員の影響が大きいため、むしろ小規模会社ほど手順1のリスト化だけは先にやっておく価値があります。紙一枚で構いませんので、まず着手してみてください。

Q. 出面管理アプリを入れれば人手不足そのものは解決しますか?

アプリは採用難そのものを解決する道具ではありません。ただし欠員発生時の調整時間を減らし、社長や監督が採用活動や職人教育に使える時間を増やす効果はあります。

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平均年齢60代なのに新卒採用に頼る塗装会社の末路

平均年齢60代なのに新卒採用に頼る塗装会社の末路

平均年齢60代なのに新卒採用ばかり追う塗装会社が多いのはなぜか。技術継承と引退管理を紙・Excel・アプリで比較し、廃業リスクを放置しない方法を考えます。


1. 引退の朝は突然来る

2. 紙・Excel・アプリで何が変わるか

3. 表で見る技術継承・引退管理の手段比較

4. 継承は「技術」より先に「予定」を決める

5. 見えていないものは管理できない

引退の朝は突然来る

ある塗装会社で、吹付一筋42年の職人が年明けから来なくなりました。

年末の忘年会で「もう膝が限界だから」と一言。社長は初耳でした。

その職人しかできない立体艶(3分艶)の仕上げがあり、得意先のマンション改修は次の担当が決まらないまま止まりました。

引退は事故と同じで、前触れなく起きるものではありません。実際は本人の中で何年も前から決まっています。

ただそれを会社側が把握していなかっただけです。年齢・体力・意欲を誰も記録していなかったからです。

紙・Excel・アプリで何が変わるか

技術継承と引退管理を「紙の台帳」「Excel」「専用アプリ」でやった場合、結果はかなり違います。

紙は現場監督の頭の中とセットになっていて、その監督が異動すれば情報ごと消えます。

Excelは作れても更新が止まります。誰か1人が入力担当になり、その人が忙しい月は半年放置されます。

アプリは各職人の出面(現場に入った日数)や担当工種が自動で溜まるので、年齢・稼働日数・得意分野が一覧で見えます。

差が出るのは「更新の手間」の設計です。人が入力し続ける仕組みは、必ずどこかで止まります。

表で見る技術継承・引退管理の手段比較

同じ「誰がいつ引退しそうか」「誰にどの技術を継がせるか」を管理する場合でも、手段によって手間もミス率も全く違います。

下の表は、現場10〜20人規模の塗装会社を想定した体感値です。

手段 手間 ミス率 共有のしやすさ コスト
紙の台帳 更新は月1回あるかないか、担当者依存 高い(記入漏れ・紛失あり) 監督個人の頭の中に依存、異動で消える 台帳代のみだが実質は放置コスト大
Excel 入力担当者の負担が集中し止まりがち 中程度(上書きミス・バージョン違い) メールやUSBでのやり取りで属人化 無料だが更新が止まれば無価値
専用アプリ 現場入力から自動集計、手間は最小 低い(入力漏れをシステムが検知) 全社員がリアルタイムで同じ画面を見られる 月額費用はあるが管理工数削減で相殺

継承は「技術」より先に「予定」を決める

技術継承というと、若手に付きっきりで指導するイメージが強いです。

ですが本当に先に決めるべきは「あの職人はあと何年現場に立てるか」という予定です。

予定が見えていれば、ケレン(下地処理の一種)から下地処理、吹付まで、工程ごとに引き継ぐ順番を組めます。

予定が見えていないと、いつも「今できる若手」に頼るしかなく、結果として新卒採用だけが対策になってしまいます。

60代の職人が抜けたときの穴を、20代の未経験者で埋めようとする無理が、この構造から生まれています。

見えていないものは管理できない

私たちイーテクノスも塗装会社を経営していて、同じ壁にぶつかりました。

ベテランの出面や担当工種、体調の変化を誰も一元的に見ていなかったのです。

見積・工程・職人の稼働まで1つの画面で管理できるようにしたのが、私たちが自社の現場で困って作ったAngaです。

職人ごとの現場履歴が自動で残るので、「誰がどの技術を持っていて、あと何年動けそうか」が数字で見えるようになります。

紙やExcelで止まっていた更新を、現場の日々の入力からそのまま拾う形にしています。

あいつが抜けるって、去年の忘年会まで誰も知らなかったんだよな

よくある質問

Q. 職人の高齢化はなぜ新卒採用だけでは解決しないのですか

新卒が育つには3〜5年かかりますが、ベテランの引退は数か月単位で急に来ます。育成期間と引退時期がずれるため、採用だけに頼ると必ず技術の空白期間ができてしまいます。

Q. 技術継承の管理はExcelでも十分ではないですか

小規模なら十分な場合もありますが、更新担当者が忙しくなると止まりやすい点が弱点です。誰の入力にも依存せず現場データが自動で溜まる仕組みでないと、半年後には形骸化しやすくなります。

Q. 引退時期はどうやって把握すればいいですか

年齢だけでなく、直近1年の出面日数や担当工種の変化を記録しておくと予兆が見えます。急に休みが増えたり担当工種が減ったりする傾向を早めに拾えれば、引き継ぎ計画を前倒しできます。

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9人分の出面手入力で給与ミス連発|塗装会社の実例

9人分の出面手入力で給与ミス連発|塗装会社の実例

職人9人、工期47日、缶数312缶の現場で何が起きたか。エクセル集計に半日かけても給与ミスが消えなかった塗装会社の1ヶ月を追いました。


1. 9人×47日、シリコン312缶の改修工事が始まった

2. 25日目、応援職人の日当が2種類あることが発覚

3. なぜ半日かけても給与ミスは消えなかったのか

4. 翌月、同じ現場で変えたこと

9人×47日、シリコン312缶の改修工事が始まった

築28年、5階建て42戸のマンション改修です。

外壁は爆裂補修からの下地処理、屋上防水、鉄部塗装まで含む一式工事でした。

職人は自社2人、応援7人の合計9人体制。工期47日、使用塗料はシリコン系3分艶を中心に312缶を発注しました。

出面(職人の日々の出勤・稼働記録)は現場監督が手書きの野帳に記録し、月末に事務員がエクセルへ転記する流れです。

この現場も最初はいつも通りのやり方で回り始めました。

25日目、応援職人の日当が2種類あることが発覚

問題が表面化したのは工期25日目でした。

応援で入っていた職人のうち2人は、下地処理の日は日当1万8千円、吹付作業の日は2万円という条件だったのです。

野帳には「A班/B班」としか書かれておらず、事務員はどちらの単価か判断できませんでした。

電話で現場監督に確認しようにも、監督は別現場の足場立会いで捕まりません。

結局その日の集計は保留のまま、他の職人分だけ先に転記を進めることになりました。

半日がかりの集計で起きた入力ミス

月末、9人×47日分の出面をエクセルに手入力する作業は丸半日かかりました。

保留にしていた2人分を後から差し込んだ際、行がずれて別の職人の欄に日当を入力してしまったのです。

給与計算ソフトに転記した後で気づき、支給日の2日前に全員分を再チェックする羽目になりました。

半日かけて集計したのに、支給日2日前にまた全員分見直しですよ

なぜ半日かけても給与ミスは消えなかったのか

この現場で起きたことは、特別な事故ではありません。

手入力である以上、避けられない構造的な弱さがそこにあります。

  • 野帳の記載ルールが監督ごとに違う(A班/B班のような略記が統一されていない)
  • 保留案件を後から差し込むと行ズレが起きやすい
  • 単価が「日当×人工」の単純計算でなく、作業内容で変わる職人がいる
  • 事務員は現場を見ていないため、記載の矛盾に気づけない

312缶の塗料発注や工程管理には歩掛(作業1単位あたりの工数)を使って精緻に計算するのに、出面と日当だけは手作業に頼る会社が多いのです。

ここが崩れると、どれだけ現場管理が上手くても給与計算で信用を失います。

翌月、同じ現場で変えたこと

この会社は翌月の別現場から、出面の記録方法を変えました。

職人本人がスマホで出勤・稼働を打刻し、単価条件も職人ごとに事前登録しておく形です。

監督が野帳から転記する工程自体をなくしたことで、行ズレや聞き間違いが起きる余地が減りました。

集計時間は半日から1時間程度まで縮まり、給与計算前の再チェック作業もほぼ不要になっています。

私たちイーテクノス自身も、塗装会社を経営する中で同じ出面トラブルを何度も経験してきました。

その経験から作ったのが出面管理アプリ「Anga」です。

職人ごとの単価条件を登録できるため、A班B班のような略記に頼らず単価判断ができます。

手入力そのものをなくしたい会社は、まず1現場だけ試してみるところから始められます。

よくある質問

Q. 出面管理アプリを導入すると、エクセル集計の時間はどのくらい減りますか

職人9人・工期1ヶ月規模の現場では、手入力の半日作業が1時間前後まで縮まるケースが多いです。転記工程自体をなくすことで、行ズレや聞き間違いによる給与ミスも同時に減らせます。

Q. 職人ごとに日当が違う場合、アプリでどう管理しますか

職人ごとに単価条件を事前登録しておく方式なら、作業内容による単価違いも打刻時に自動反映されます。野帳の略記に頼らずに済むため、監督不在時でも事務員が単価を判断できます。

Q. 紙の野帳からアプリに切り替えるタイミングはいつがいいですか

繁忙期の途中で切り替えると現場が混乱しやすいため、1現場が終わるタイミングか、比較的落ち着いた月初からの切り替えが現実的です。まず1現場だけで試す会社が多い印象です。

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塗装業「電話一本の応援体制」が失敗する理由

塗装業「電話一本の応援体制」が失敗する理由

職人が休むたび他現場から人を引き抜いて凌ぐ。その場は収まっても、抜かれた現場の工程が崩れ、次の休みでまた同じ現場が犠牲になる。この悪循環はなぜ止まらないのか。


1. 症状:いつも同じ現場が削られる

2. 本当の原因は「人が足りない」ではなく「人の状態が見えない」

3. なぜこの状態が何年も放置されるのか

4. どうすれば断てるか:属人対応から仕組みへ

5. 社長一人の頭から、全員が見られる状態へ

症状:いつも同じ現場が削られる

塗装会社で人手不足の相談を受けると、必ず同じパターンに行き着きます。

職人Aが体調不良で休む。社長か監督が電話をかけ、比較的余裕がありそうな現場から職人Bを回す。その日はなんとか回る。

でも実際には、余裕がある現場なんてほとんどありません。単に「一番文句を言わない現場監督」の現場が毎回削られているだけです。

築30年マンションの外壁改修で下地処理の工程が3日押す。戸建ての吹付日程が雨予報と重なって玉突きで詰む。気づけば特定の現場だけ工期遅延の常連になっています。

本当の原因は「人が足りない」ではなく「人の状態が見えない」

多くの社長は「うちは人手不足だから」で片付けます。でも突き詰めると、足りないのは人数ではなく情報です。

誰が何人工、どこにいるか把握できていない

出面(各現場の日々の人員配置)を紙やLINEでバラバラに管理していると、「今日誰が空いているか」を答えられるのは社長の頭の中だけになります。社長が電話を取れない日は、現場監督同士が手探りで調整するしかありません。

休みの理由と頻度が蓄積されていない

職人Aの急な休みが今月3回目なのか初めてなのかが分からないまま、その都度「とりあえず埋める」対応を繰り返します。傾向が見えないので、根本原因(体調、家庭事情、特定現場への不満)に手が打てません。

人手不足対策というと採用や外注先の確保に目が向きがちですが、その前に「今いる人員の状態を把握する仕組み」が抜け落ちているケースがほとんどです。

なぜこの状態が何年も放置されるのか

理由は単純で、電話一本の場当たり対応が「その日は」うまくいってしまうからです。

工期が多少ずれても、元請への謝罪と工程の組み直しで大抵は収まります。社長からすれば「今日も乗り切った」という実感が残り、仕組みを変える緊急性を感じません。

さらに、出面管理をシステム化しようとすると「今さら数字の管理に手間をかける余裕はない」という声が現場から上がります。歩掛(作業1単位あたりの工数)の記録すら面倒がられる業界で、日々の人員配置をリアルタイムで可視化する発想は後回しにされがちです。

結果として、社長一人が状況を把握し、電話とLINEで人を動かす体制が「うちのやり方」として固定化します。社長が倒れたら現場が止まるという危うい状態に気づかないまま何年も回ってしまいます。

また電話か、って毎回思う。誰が空いてるかくらい見えたら楽なのに。

どうすれば断てるか:属人対応から仕組みへ

場当たり対応を断つには、3つの層を分けて手を打つ必要があります。

層 症状 放置される理由 断つ方法
1層目:表面 急な休みを電話で穴埋め その日は収まってしまう 誰が空いているか即座に分かる仕組み
2層目:情報 出面が社長の頭の中だけ 可視化に手間をかけたくない 出面・稼働状況の一元管理
3層目:構造 特定現場がいつも犠牲になる 傾向が数値化されていない 休みの頻度・理由を蓄積して分析

社長一人の頭から、全員が見られる状態へ

出面と職人ごとの稼働状況を一元管理できれば、急な休みが出たときも「今日空いているのは誰か」を現場監督自身が判断できます。社長への電話が減るだけで、対応スピードは大きく変わります。

私たちイーテクノスも塗装会社を経営していて、まさにこの問題に苦しみました。社長が出面と職人の状態を一人で抱え込む体制に限界を感じ、現場ごとの人員配置と稼働状況をその場で共有できる仕組みとしてAngaを作りました。

電話一本の場当たり対応をやめたいなら、まず「誰が何人工、どこで動いているか」を全員が見られる状態にすることから始められます。

よくある質問

Q. 塗装業の人手不足対策として採用以外にできることは何ですか

採用強化の前に、今いる職人の出面管理と稼働状況の可視化が有効です。誰がどの現場で何人工動いているかを把握するだけで、急な欠員時の調整スピードが上がり、特定現場だけが疲弊する状況を防げます。

Q. 職人の急な欠勤が多い現場にはどんな傾向がありますか

欠勤理由や頻度を記録していない会社ほど傾向をつかめていません。記録を続けると、特定の現場の負荷や特定の職人の体調パターンが見えてきて、場当たり対応から予防的な人員配置へ切り替えられます。

Q. 出面管理をシステム化するとどんな効果がありますか

社長一人が把握していた人員配置を現場監督全員が見られるようになり、欠員時の判断が早くなります。工期遅延や特定現場への負担集中も減り、社長不在時でも現場が止まらない体制に近づきます。

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