出面が手書きだと粗利が消える3つの理由

出面が手書きだと粗利が消える3つの理由

職人5人、現場8件。ホワイトボードの出面を毎月Excelに転記して、それでも粗利が合わない。その原因は転記ミスではなく、もっと手前の仕組みにあります。


1. 月末になると粗利が「だいたいこのくらい」になる

2. 原因1:出面と原価が別の場所に住んでいる

3. 原因2:歩掛と実働がそもそも比較されていない

4. なぜこの構造が何年も放置されるのか

5. 仕組みで断つには、線をつなぎ直すしかない

月末になると粗利が「だいたいこのくらい」になる

月初の会議で聞かれます。「先月の外壁塗装、A現場の利益いくら出た?」

答えが「たぶん20万くらいですかね」になる会社は、実は少なくありません。

ホワイトボードには出面(現場ごとの出勤人数と作業内容)が手書きで並んでいます。でもそれは「今日誰がどこに行ったか」の記録であって、「その現場にいくら人件費がかかったか」の記録ではありません。

見た目は管理できているようで、原価に変換される手前で情報が止まっています。だから粗利は最後、勘で埋めるしかなくなります。

原因1:出面と原価が別の場所に住んでいる

ホワイトボードの出面は「現場管理」の道具です。給与計算や原価計算は別の帳簿、もしくは経理担当の頭の中にあります。

この2つは本来1本の線でつながるべき情報です。職人が現場Aに8時間入れば、それは現場Aの労務費として即座に積み上がるはずのものです。

でも紙とExcelとLINEに分かれて記録されている限り、この線は月末に人力でつなぐしかありません。転記する人が1人休めば、そこで止まります。

原因2:歩掛と実働がそもそも比較されていない

日報は書いています。日報にも書いています。でも「この現場は今どのくらい儲かっているか」を見る画面が、そもそも社内に存在しない会社は珍しくありません。

売上と原価は会社全体でしか把握できず、現場単位のP/Lは決算のときに税理士が作る資料の中にしかない。これでは日々の判断に使えません。

なぜこの構造が何年も放置されるのか

理由は単純です。「今日の段取り」は待ってくれないけれど、「先月の粗利」は待ってくれるからです。

雨で工程が流れれば、その日のうちに職人の手配を組み直さないといけません。でも粗利計算は、多少ズレていても会社は潰れません。だから優先順位が後回しになり続けます。

ここに、今の業界事情が重なります。2026年に入ってから塗装工事業の倒産が前年より増えているという状況があり、資材高騰と職人不足が中小・零細の経営を圧迫しています。

さらに2025年12月施行の改正建設業法では、労働者の待遇改善による人件費上昇や、請負代金の変更方法の明確化が求められるようになりました。契約書の記載事項も厳格化され、著しく短い工期の禁止やリスク情報の提供義務が新たに規定されています。

人件費が上がり、契約のルールが厳しくなる時代に、原価を勘で計算している会社ほど、値上げ交渉の根拠も、価格転嫁の説明もできません。放置していい時期は、もう終わっています。

仕組みで断つには、線をつなぎ直すしかない

精神論で「ちゃんと転記しよう」と言っても続きません。人が変わる、忙しい月がある、それだけで元に戻ります。

断つ方法は1つです。出面を入力した瞬間に、それが自動で現場ごとの原価になる仕組みに変えることです。転記という工程そのものをなくせば、ミスも遅れも起きようがなくなります。

出面管理アプリはまさにこの「入力=原価計算」を目的に作られています。塗装会社向けのAngaは、職人がスマホで出面を入れると、その場で現場別の実働時間と人件費が積み上がる作りになっていて、月末に粗利を「たぶんこのくらい」で語る必要がなくなります。

開発したのは塗装会社を経営する井上恭介さんで、自社の「現場ごとの利益が決算まで見えない」という悩みから生まれたツールです。

出面をホワイトボードからアプリに移すことは、単なるIT化ではなく、粗利を月末の勘から日々の数字に変える作業です。まずは今動いている現場1件分だけ、出面と原価をアプリで並べて見るところから始めてみてください。

先月の利益、聞かれてから電卓叩いてました。

よくある質問

Q. 出面管理アプリを導入すると、今のホワイトボード運用は完全にやめる必要がありますか?

必要はありません。まずは1〜2現場だけアプリ入力に切り替えて、ホワイトボードと並走させる会社が多いです。慣れてきた段階で全現場に広げれば、現場も混乱せず移行できます。

Q. 職人がスマホ操作に不慣れでも出面管理アプリは使えますか?

出勤・退勤ボタンを押すだけの簡易入力で設計されているツールが主流です。文字入力がほぼ不要なので、ガラケー世代の職人でも数日で使えるようになるケースが多いです。

Q. 出面データと現場原価を紐づけると何が一番変わりますか?

最大の変化は、現場が終わる前に粗利の傾向がわかることです。歩掛と実働の差が早い段階で見えるため、追加人工や工期遅れの相談を、現場が終わる前に元請へ伝えられるようになります。

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手待ちコストで粗利が毎現場1〜3%消える——分業塗装の盲点

手待ちコストで粗利が毎現場1〜3%消える——分業塗装の盲点

下塗り・中塗り・上塗りを別班で回す分業制は生産性が高いように見えます。しかし班Aが終わるまで班Bが現場で待っている時間は、誰の日報にも残りません。この「見えない手待ち時間」が歩掛との乖離を生み、2026年の倒産急増局面で会社の明暗を分けています。


15人工以上
手待ちによる月間ロス試算(10現場・各1.5時間/工程)
日報に記録されない待機が積み上がる月間換算値

1〜3%/現場
歩掛乖離による粗利圧縮幅(現場感覚値)
手待ちロスが原価未反映のまま積み重なる粗利への影響

37.5万円/月
手待ち1.5時間×職人単価換算(1人工2.5万円基準)
10現場規模の塗装会社で見えないまま消える人件費水準

手待ち時間が原価に載らない構造的な理由

夜21時の事務所。現場監督が日報をLINEでまとめながら、班ごとの作業時間を手入力しています。そこに「待機45分」と書く職人は、まずいません。

分業制の現場では、工程間の手待ち時間は慣習的に「現場移動」や「段取り(材料・道具の準備・片付け)」に吸収されます。結果として原価計算の土台になる歩掛(作業1単位あたりの工数)には、待機ロスが一切反映されません。

具体的な場面を想像してください。築30年マンション改修で、下塗り班が外壁1面のケレン(旧塗膜の除去)と下地処理を終えるのに午前中いっぱいかかったとします。

中塗り班は午後イチを予定していましたが、乾燥待ちで実際の作業開始は14時過ぎになりました。この約1.5時間は誰の日報にも「待機」とは書かれず、午後の作業時間として丸ごと計上されます。

問題はこれが毎現場・毎工程で発生していることです。

  • 10現場で各工程に手待ちが平均1.5時間発生すると、月間で15人工分以上が消える計算になります
  • 職人1人工を2.5万円で積んでいれば、37.5万円が見えないまま消える水準です
  • これを粗利率に換算すると、受注金額によっては1〜3%の乖離に直結します

2025年12月施行の改正建設業法により、労働者の賃金水準確保が義務化されています。人件費が上がる局面で、手待ちロスを原価に乗せない習慣は、経営を静かに圧迫し続けます。

「見積の歩掛」と「現場の実態」がなぜズレ続けるのか

現場帰りの軽トラで、現場監督がスマホに向かって「今日は上塗り2人で60㎡、クリーンマイルドシリコン(職人間では『クリマイ』と略される日本ペイントの外壁用シリコン塗料)の希釈率1.5倍、標準塗布量は守れた」と音声入力しています。しかし「待った時間」は入力しません。

見積段階で積む歩掛は、多くの場合、過去の完工実績から逆算した「理論値」です。外壁塗装であれば、吹付・ローラー・刷毛塗りの工法別に1人工あたりの施工面積を設定しているはずです。

しかしその理論値は「職人が止まらず動き続けた場合」を前提にしています。分業制では工程間の依存関係が強くなります。

  • 下塗りの乾燥時間が天候で延びれば、中塗り班の到着タイミングがずれます
  • 見切り(異素材の境界処理)や養生(塗料の付着防止シート張り)の仕上がりが甘いと、次工程班が修正作業に入ります
  • 色番(日本塗料工業会規格、通称「日塗工」のカラーナンバー)の確認待ちで、準備した材料を出せないケースも珍しくありません

これらはすべて「工程間の手待ち」として発生しますが、既存の原価管理ツールはほぼ工程単位の集計しかできません。班ごと・時間帯ごとの待機を捕捉する仕組みを持っている塗装会社は、現状ほとんど存在しないのが実態です。

歩掛と現場実態のズレは、1現場では小さく見えます。しかし年間50現場・100現場と積み上がると、粗利の底が静かに抜けていきます。

「手待ちを日報に書く職人なんていませんよ、みんな気を使ってるから」

2026年倒産急増局面で生き残る会社の「一点の違い」

2026年1月〜4月にかけて、塗装工事業の倒産件数が前年同期比で増加しています。職人不足・資材高騰・中東情勢を背景とした原油・ナフサの供給不安が、中小・零細事業者の経営を直撃しています。

この局面で倒産する会社と生き残る会社の差は、受注量でも知名度でもありません。「工程別原価を正確に把握しているかどうか」の一点です。

受注単価を上げにくい競争環境では、コスト構造の精度が利益を決めます。手待ちロスを可視化できていれば、次の打ち手が見えます。

  • 班の到着スケジュールを前工程の乾燥時間に合わせて組み直すことで、手待ちそのものを削れます
  • 手待ち実績を工程別原価に反映すれば、次回の見積歩掛を現実値に修正できます
  • 「この工程は天候影響で手待ちが出やすい」という傾向が見えれば、契約段階でリスクを織り込めます

2025年12月施行の改正建設業法では、著しく短い工期の禁止とリスク情報の提供義務が明記されています。天候・下地状況・工程間の乾燥待ちを契約書に反映するためには、過去の工程ロスデータが不可欠です。

生き残る会社は、今この瞬間から「手待ち時間を何分単位で記録できる仕組み」を持ち始めています。受注が続いている今のうちに原価の精度を上げておかないと、資材が上がった次の局面で一気に粗利が消えます。

Angaが塗装業に特化して工程間ロスを可視化できる理由

LINEに溜まる日報の写真を、事務所のデスクでスクロールしながら原価を手入力している。多くの塗装会社の夜が、今もそこから変わっていません。

Angaは、塗装会社を経営する株式会社イーテクノス・井上恭介氏が開発したAIアシスタントです。汎用のプロジェクト管理ツールではなく、塗装業の現場固有の課題から設計されています。

開発の出発点は「色番N80を間違えて発注した経験」や「現場ごとの利益が月末まで見えない」という、塗装会社経営者にしか刺さらない問題でした。だからAngaは、以下のような塗装業固有の使われ方を想定しています。

  • 職人が「クリマイ2缶」と日報に書けば、Angaはクリーンマイルドシリコンとして学習・記録します
  • 下塗り班・中塗り班・上塗り班それぞれの作業開始・終了時刻を工程別に記録し、班間の待機時間を自動で抽出します
  • 蓄積されたロスデータは工程別原価として集計でき、次回見積の歩掛修正に直接使えます

汎用AIツールは「塗装の3工程に分業がある」ことを知りません。吹付とローラーで標準塗布量が異なることも、養生の撤去タイミングが次工程に影響することも、設計の前提に入っていません。

Angaは塗装業の言語・慣習・工程の依存関係を最初から理解した上で、手待ちロスを数字として引き出す仕組みを持っています。見えていなかったコストを原価に乗せる。その一点から、粗利の底を塞ぐことができます。

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塗装会社M&A実査——利益根拠を出せない会社の末路

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買い手候補が事務所に来た日、工事台帳も歩掛データも発注履歴も出てこなかった——そんな会社に値段はつかない。2026年の倒産急増局面で廃業か叩き売りかの二択を避けるために、今から12ヶ月で積み上げる「原価・労務・発注の三点データ」が企業評価額を変える唯一の入口になります。


実査当日、社長は何も出せなかった

夜21時の事務所。机の上には現場ごとのメモ書きと、色番(日塗工N-80・SR-410など)を鉛筆で書いた付箋が散らばっています。

M&Aの仲介担当者から「過去3期分の工事別粗利と、職人一人あたりの出面(でめん:現場稼働日数)データをください」と言われたとき、返せる書類が一枚もない——これが塗装会社の現実です。

売上3億円でも、利益の根拠を数字で説明できなければ買い手はつきません。買い手が見たいのは「この会社の利益は再現できるか」という一点です。

  • 現場ごとの原価が出ない
  • 職人の人工(にんく:作業1単位の工数)が記録されていない
  • 材料の発注履歴が担当者のLINEの中だけに存在する

この三つが揃わない会社は、財務諸表の数字があっても「なぜ儲かっているのか」を証明できません。結果、企業評価は最低水準に張り付きます。

塗装業の倒産が2026年に入ってから前年同期比で増加傾向にある今、売りたくても売れない会社が急増しているのはこれが理由です。

「三点データ」がなぜ企業評価を変えるのか

外壁塗装の現場を10件こなせば、材料費・職人の出面・下請け発注の三つのデータが自然と発生します。しかしそれをシステムに記録している塗装会社は、体感値でも半数に届かないでしょう。

買い手が評価するのは以下の三点です。

  • 原価データ:工事種別(外壁・屋根・鉄骨ケレン〔さびや旧塗膜の除去作業〕など)ごとの材料費・施工原価の推移
  • 労務データ:職人一人あたりの人工と歩掛(作業1単位あたりの工数)の実績値
  • 発注データ:下請け業者・材料メーカーへの発注単価と数量の履歴

この三点が12ヶ月分揃えば、買い手は「この会社の利益構造は透明だ」と判断できます。逆に言えば、12ヶ月積み上げれば間に合う段階に、今はまだ立っています。

2025年12月施行の改正建設業法では、請負代金の変更方法の明確化や契約記載事項の厳格化が義務付けられました。この流れは「原価の見える化」を避けられない方向へ業界全体を動かしています。

法対応と企業価値向上を同時に進めるなら、今がデータ整備の最後のタイミングです。

データ積み上げ期間

12ヶ月

企業評価の根拠となる三点データを揃えるために必要な最低期間

塗装業倒産動向

2026年1〜4月

前年同期比で倒産件数が増加。職人不足・資材高騰・原油供給不安が重なる局面

法改正タイミング

2025年12月

改正建設業法施行。契約記載事項の厳格化と原価の見える化が業界全体に求められる

Angaが塗装業に特化した理由

現場帰りの軽トラの中で「あの現場、結局いくら残ったんだろう」と思いながらも確認できない——Angaはその問いへの答えを出すために作られました。

開発者は塗装会社を経営する株式会社イーテクノスの井上恭介氏です。汎用の工事管理ツールではなく、塗装業の「あるある」を起点に設計されています。

  • 色番(日塗工・ND・SR)を品番として登録し、「N-80を間違えてN-85で発注した」ミスを発注履歴から追える
  • 「クリマイ」「クリーンマイルドシリコン」「CMS」など職人ごとの略称表記を学習し、材料集計のズレを防ぐ
  • 養生・下地処理・吹付・見切りといった工程ごとに人工を入力すると、現場ごとの歩掛が自動で蓄積される
  • 希釈率・標準塗布量と実際の使用量を比較し、材料ロスを可視化する

機能の核心は「原価・労務・発注の三点データを、現場の運用を変えずに積み上げられること」です。

専用アプリへの入力を強制せず、LINEで完結する設計にしたのも、現場の職人が実際に使わなければデータが生まれないという現実を知っているからです。

塗装会社の社長が自分の会社の値段を説明できるようになるためのデータは、ここから積み上がります。

12ヶ月後、あなたの会社に値段がつく条件

M&Aと事業承継が塗装業界で活発化しています。後継者不在の中小塗装会社と、施工網を拡大したい大手・中堅企業のマッチングは今後も増え続けます。

問題は、売り手側の準備が間に合っていないことです。中小企業庁が設置する事業承継の相談窓口や専門家派遣制度を活用しようとしても、「利益の根拠となるデータ」がなければ専門家も評価額を出せません。

12ヶ月後に企業評価の土台を作るための条件は、シンプルです。

  • 工事台帳:受注から完工まで、工事種別・施工面積・使用材料を記録する
  • 出面管理:職人ごとの稼働日数と工程(ケレン・下地処理・仕上げ塗り)を紐付ける
  • 発注履歴:材料メーカー・下請け業者への発注単価と数量を日付付きで残す

築30年マンション改修の外壁塗装1件でも、この三点が揃えば「次の同規模案件の原価予測」が立てられます。それが積み上がると、買い手は「この会社は利益を再現できる」と判断します。

職人不足・資材高騰・改正建設業法への対応と、企業価値の積み上げは別々の話ではありません。現場の原価を正確に把握することが、すべての起点になります。

今から始める12ヶ月は、廃業でも叩き売りでもない第三の選択肢を手に入れる期間です。

売ろうとしたとき初めて、何も残ってないのに気づいた

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見積単価3年据え置きの塗装会社が改正建設業法で詰む理由

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改正建設業法の施行後、元請けへの価格改定交渉には「工程別の実原価データ」が必須になります。しかし職種ごとの歩掛も発注履歴も手元にない会社は、感覚の値上げ要求として一蹴され、人件費上昇分を自社粗利で丸ごと吸収し続ける構造に固定されます。


「単価は3年前のまま」——感覚値上げ要求が元請けに刺さらない理由

夜21時、事務所のデスクに広げた見積書を眺めながら、「もう職人の日当が上がって採算が合わない」と感じている社長は少なくないはずです。

しかし元請けに値上げを申し入れると、たいてい同じ言葉が返ってきます。「根拠を出してください」という一言です。

ここで詰まるのが、歩掛(作業1単位あたりの工数)を工程ごとに記録していない会社です。外壁塗装の現場であれば、ケレン(下地の錆・旧塗膜除去)・下地処理・養生・吹付・仕上げと工程が分かれます。

それぞれに職人が何人工(にんく)かかり、材料をどれだけ使ったかのデータがなければ、「感覚の値上げ要求」になります。

元請けの担当者も決裁者に説明する義務があります。「塗装会社がそう言っているから」では社内を通せません。逆に言えば、工程別の実原価データを出せた会社だけが、テーブルに座れる交渉相手として認められます。

根拠を出せと言われても、記録がそもそもないんです

この3点を数字で示せるかどうかで、交渉の土俵が変わります。

  • ケレン1人工あたりの単価と施工面積の関係
  • 日塗工の色番(例:N-80)ごとの希釈率と標準塗布量から算出した材料費
  • 天候待ちや養生のやり直しが発生した際の追加工数

2025年12月施行の改正建設業法が塗装業の価格構造を固定する

2025年12月に施行される改正建設業法は、人手不足・長時間労働・資材高騰への対応を目的としています。労働者の賃金水準確保と労働条件改善が義務化され、請負代金の変更方法も明確化されます。

この改正で何が変わるかというと、「値上げ交渉の手続きが法令ベースに乗る」ということです。契約書への記載事項が厳格化され、著しく短い工期の禁止やリスク情報提供義務も新設されます。

一見、下請け保護に見えます。しかし実態は逆のリスクを持ちます。

手続きが明文化されると、根拠のない値上げ要求は法令の枠組みの外に置かれます。元請けは「改正法の変更協議手続きに則っていない」という一言で、交渉を形式的に終わらせることができます。

記録を持つ会社と持たない会社の格差が、法律によって半永久的に固定されるのです。

さらに2024年4月から残業上限規制が建設業に罰則付きで適用されています。月45時間・年360時間を超えると6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金となります。長時間労働で利益を補填する時代はすでに終わっています。

  • 残業上限規制で工期の組み方が変わる
  • 人件費上昇分を残業代圧縮で相殺できなくなる
  • 価格転嫁の仕組みを持たない会社は構造的に詰む

見積単価の固定期間(業界感覚値)

3年以上

値上げ交渉の根拠データを持たずに単価を据え置いている会社が多数存在する

残業上限規制の罰則(2024年4月〜)

懲役6ヶ月または罰金30万円

建設業に罰則付きで適用。月45時間・年360時間超が違反基準

改正建設業法の施行時期

2025年12月

労務費・請負代金変更方法の明確化が義務化。価格転嫁の仕組みを持たない会社が構造的に不利になる

【ビフォーアフター】実原価データがある会社とない会社の交渉の差

軽トラで現場から帰りながら、職人の出面(でづら:その日の稼働人数)をLINEで確認している監督は多いはずです。その情報が翌朝には消えていく会社と、工程別に蓄積される会社では、1年後に決定的な差が生まれます。

【ビフォー:記録がない会社の交渉】

築30年マンション改修の外壁塗装で、ケレンと下地処理に予定より1.5人工多くかかっても、それが見積に反映されません。次回も同じ単価で受注し、人件費上昇分は粗利から消えていきます。

元請けへの値上げ申し入れは「感覚」ベースになり、「他社は据え置きで出してくる」と一蹴されます。

【アフター:工程別データがある会社の交渉】

同じ現場で「ケレン工程:2人工×1.5日、材料費:エポキシ系プライマー○L(希釈率10%)、施工面積○㎡」という実績データを提示できます。

「過去3現場の平均と比較して人件費が○%上昇している」という数字で話せるため、元請けの担当者も社内決裁に使える資料になります。

データの有無は、交渉の姿勢の差ではなく構造の差です。どちらが正しい努力をしているかではなく、どちらが記録の仕組みを持っているかで結果が変わります。

Angaが塗装業専用である理由——職人の癖まで学習する発注AIの話

現場から戻った夜、色番の確認電話が1本入ってくるだけで30分が飛びます。「クリマイってどこのやつでしたっけ」という電話は、クリーンマイルドシリコンのことです。職人の言葉を解読する時間は、積み重なると月に数十時間になります。

Angaは、塗装会社経営者である株式会社イーテクノス・井上恭介が開発したAIアシスタントです。一般的なAIツールと違うのは、塗装業の業務フローに特化して設計されている点です。

具体的には次のような場面で機能します。

  • 工程別の歩掛記録を自動でテンプレート化し、発注履歴として蓄積する
  • 日塗工・ND・SRの色番と希釈率・標準塗布量をひも付けて材料費を算出する
  • 「クリマイ」「3分艶」など職人の略語・現場用語を学習して入力負荷を減らす
  • 過去の見積と実原価の差異をレポート化し、価格改定交渉の根拠データを生成する

「N80を間違えて発注した」「現場ごとの利益が最後まで見えなかった」という経営者の実体験が開発の起点になっています。

汎用AIに塗装の質問を入力しても出てこない、業界固有の知識と記録の仕組みがAngaの核心です。

2025年12月に向けて、実原価データを積み上げ始める会社とそうでない会社の差は、今この瞬間から広がっています。

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塗装工事の利益はなぜ完工後に消える?工程別原価追跡の作り方

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完工後に「思ったより残らなかった」と気づく。その時点では手遅れです。塗装工事の利益は、段取りから仕上げまでの工程のどこかで静かに消えています。本記事では、利益が削れるメカニズムと、工程ごとに原価を追いかける仕組みの作り方を解説します。


完工後に「赤字だった」と知る——その構造的な理由

夜21時、事務所のデスクに積まれた完工ファイルを開く。数字を拾い始めると、胃が重くなる感覚——塗装会社の経営者なら、一度は経験があるはずです。

外壁塗装の現場では、見積時点の原価と実際の原価がずれていきます。そのずれが積み重なって、完工後に初めて「利益が出ていなかった」と判明するのです。

なぜこうなるのか。理由は構造にあります。

  • 職人の出面(日当×人数の実績)を現場ごとに集計していない
  • 塗料の使用量が歩掛(作業1単位あたりの工数)通りに進まず、追加発注が出ても誰も記録しない
  • 養生・ケレン(下地の錆や旧塗膜を除去する作業)など補助工程の人工(にんく:職人1人1日分の作業量)が見積に反映されていない

この3点が重なると、1現場あたり5〜15万円規模で利益が消えていきます。10件こなせば最大150万円の誤差になります。

問題は「わからないまま現場が動いている」ことです。月末に試算表を見て初めて異常に気づく——その時点で、次の現場の段取りはすでに始まっています。

原価管理は完工後の作業ではなく、工程が動いている最中にこそ必要な仕組みです。

利益が消える3つの工程ポイント

現場帰りの軽トラで職人からかかってくる電話。「色番、N80で合ってますか?」——この確認1本で段取りが30分止まることがあります。

塗装工事の原価は、大きく3つの工程ポイントで崩れます。

① 下地処理・ケレン工程

築30年マンション改修では、旧塗膜の浮きや爆裂(コンクリートの膨張・剥落)の程度が現場に入るまでわかりません。

見積時に「ケレン1種」と書いても、実際は「2種相当の作業が必要だった」となり、職人の人工が増えます。この差分を記録しなければ、原価に反映されません。

② 塗料の希釈・追加発注

標準塗布量(1㎡あたりの塗料消費量)は製品仕様書の数値で見積を組みますが、希釈率の調整や重ね塗りの回数で実際の消費量は変わります。

缶を1本追加発注しても、LINEで「塗料1缶頼んで」と伝えるだけで、原価に計上されないケースが大半です。

③ 吹付・見切り工程の段取りロス

吹付塗装では養生(マスキング・シート掛け)に想定外の時間がかかることがあります。見切り(塗り分けのライン処理)も、現場形状によって大きく工数が変わります。

この「段取りの時間」は見積に出てこないため、丸ごと利益を削る要因になります。

3つに共通するのは「現場で発生した情報が事務所に届かない」という構造です。情報の断絶が、そのまま原価の断絶になっています。

工程ごとに原価を追いかける仕組みの作り方

LINEに溜まる職人からの日報写真。「完了しました」の一言だけでは、何人工使ったかも塗料の残量もわかりません。

工程別原価追跡を機能させるには、3つの仕組みが必要です。

仕組み①:工程ごとの人工記録

「今日は何人で何時間、どの工程をやったか」を現場から当日中に入力させます。紙の日報ではなく、スマートフォンから送れるフォームが現実的です。

入力項目を絞ることが定着の鍵です。工程名・人数・時間の3項目だけで十分です。

仕組み②:材料費の即時計上

塗料・シーリング材・養生資材の追加発注が発生した時点で、現場コードと紐づけて記録します。月末の請求書と突き合わせるのではなく、発注時点で原価に乗せる運用が重要です。

仕組み③:工程ごとの利益速報

下地処理完了・中塗り完了・仕上げ完了の節目ごとに、計画原価と実績原価の差を確認します。

完工を待たずに「この現場、ケレン工程で3人工オーバーしている」と気づければ、次の工程で手を打てます。

この3つを回すだけで、完工後に初めて気づく「誤差の発見」が、工事中の「異常の発見」に変わります。

株式会社結建装がDX推進により営業利益率を5.5%改善した事例も、こうした原価の見える化が起点になっています。仕組みの本質は「ツール」ではなく「情報が届く経路を作ること」です。

なぜAngaは塗装業の原価管理に特化したのか

「色番N80を間違えて発注した。現場は止まる。職人は待つ。その損失は誰の原価になるのか」——こういった問いから、Angaの開発は始まっています。

Angaを開発したのは、株式会社イーテクノス代表・井上恭介氏です。井上氏自身が塗装会社の経営者であり、「現場の利益が工事中に消えていく」という課題を自社で経験してきました。

汎用の工事管理ツールや会計ソフトは、塗装業の現場には馴染みません。理由は単純です。

  • 「クリマイ」が「クリーンマイルドシリコン」を指すことを、システムは理解しません
  • 日塗工の色番(N80・ND-350など)で仕様書を管理する習慣が、汎用ツールの入力欄に合いません
  • 3分艶・5分艶・全艶といった仕上げ指定が原価の単価に直結することを、塗装以外の業種向けシステムは想定していません

Angaは、こうした塗装業固有の言語と業務フローをそのままシステムに組み込んでいます。職人の入力語彙を学習し、「クリマイ」と打てば正式品番と単価が紐づく設計です。

中東情勢による塗料原料の価格高騰が続く現在、仕入コストの変動を工程原価にリアルタイムで反映できるかどうかは、経営の安定に直結します。

完工後に気づくのではなく、工事中に知る——その仕組みを、塗装業の現場語で動かすことがAngaの存在理由です。

完工してから赤字に気づいても、もう取り返せない

営業利益率改善幅

5.5%

株式会社結建装がDX推進・原価見える化により達成した営業利益率の改善実績

追加発注による1現場あたり利益消失の目安

5〜15万円

人工ズレ・材料追加・段取りロスが重なった場合の体感値(塗装会社経営者の感覚値)

月間発注書対応の時間ロス目安

20時間超

現場10件規模の塗装会社で発注書・日報突き合わせにかかる月間工数の体感値

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