塗装業原価管理、Excelで粗利22%が8%になる理由

塗装業原価管理、Excelで粗利22%が8%になる理由

外壁面積1200㎡、工期42日、職人延べ168人工。完工時は喜んだのに、決算で粗利8%しか残らなかった現場があります。原因はExcel集計の1週間遅れでした。


1. 見積り粗利22%のはずが、決算では8%だった

2. 問題が起きた瞬間 足場代の再発注が漏れていた

3. どう動いたか 現場担当者が拾い直すまで3週間

4. 結果どう変わったか 現場ごとの粗利を工事中に見る仕組みへ

見積り粗利22%のはずが、決算では8%だった

築28年、鉄筋コンクリート造の分譲マンション改修工事です。

外壁面積約1200㎡、屋上防水込みで工期42日、下地処理からタイル補修、フィラー、上塗り2回まで含む案件でした。見積り時点の想定粗利は22%。元請からの信頼も厚く、追加工事も含めて受注額は980万円まで膨らみました。

完工した時点では現場監督も社長も「今期の柱になる」と話していたそうです。ところが半年後の決算で、この現場の実際の粗利は8%しかなかったことが判明しました。差額の14ポイント、金額にして約137万円がどこに消えたのか、誰も即答できませんでした。

問題が起きた瞬間 足場代の再発注が漏れていた

原因を遡ると、足場代の再発注が現場のExcelに反映されていなかったことが分かりました。

当初の足場は21日間のリース契約でしたが、雨天による工程の組み直しで実際は35日間かかっています。延長分の請求書は経理に届いていたものの、現場ごとの原価シートには手入力されておらず、翌月の集計担当が気づかないまま決算まで放置されていました。

塗料代も同様です。シリコン系上塗りを4斗缶換算で32缶発注する予定が、下地の吸い込みが想定より激しく、追加で6缶発注していました。この追加分の伝票も、現場担当者のExcelシートと本社の集計シートで二重管理になっており、片方にしか反映されていなかったのです。

人工の数字も現場と事務所でズレていた

延べ168人工の想定に対し、実際は雨天順延で188人工かかっていました。日報はLINEで共有されていたものの、月末にExcelへ転記する作業が現場監督の手作業だったため、繁忙期に転記漏れが2回発生しています。

どう動いたか 現場担当者が拾い直すまで3週間

決算で赤字傾向が発覚してから、経理担当が現場監督に確認の電話を入れました。

現場監督は現場終了後すでに別の3現場を掛け持ちしており、記憶を頼りに足場代・塗料代・人工を拾い直す作業に3週間かかっています。請求書の束を倉庫から引っ張り出し、LINEの日報履歴を1日ずつ遡り、ようやく差額の内訳が見えてきました。

この拾い直し作業自体に、現場監督の実働で約15時間、経理担当で約10時間かかったといいます。1現場の原価を確定させるためだけに使った時間です。塗装会社が抱える現場が同時に10件あれば、同じ作業を10回繰り返す計算になります。

完工した時は儲かったと思ってたのに、決算見て青ざめたよ

結果どう変わったか 現場ごとの粗利を工事中に見る仕組みへ

この一件のあと、この会社は現場ごとの原価をリアルタイムで集計する仕組みに切り替えました。

足場代、塗料の缶数、人工の出面(出勤した職人の人数と日数)を、発生した都度スマホから入力する運用に変更しています。Excelのように月末にまとめて転記するのではなく、追加発注や工程延長が起きたその日に反映される形です。

結果、次の同規模改修工事(外壁面積約1100㎡、工期38日)では、工事が終わる前の段階で粗利が19%まで下がっていることが見えました。足場の延長が発生した時点でアラートに気づき、元請への追加請求交渉を工事中に済ませられたためです。決算を待たずに手を打てたことが、最終的な粗利を確保した最大の要因でした。

原価管理システムを検討する塗装会社の担当者から「Excelでも項目を増やせば同じことができるのでは」と聞かれることがあります。理屈上はできますが、転記作業と二重管理をなくさない限り、遅れて気づく構造は変わりません。私たちイーテクノスも塗装工事を自社で請け負う中で、同じように決算まで現場の利益が見えず苦しんだ経験があります。そこから生まれたのがAngaで、足場代・塗料代・人工をLINEやスマホから入力するだけで、現場ごとの粗利が工事中に見える仕組みにしています。

よくある質問

Q. Excelでの原価管理と原価管理システムの違いは何ですか

Excelは月末にまとめて転記する運用になりがちで、追加発注や工程延長の反映が遅れます。原価管理システムは発生時点で入力する運用にできるため、工事中に粗利の変化に気づける点が最大の違いです。決算まで待たずに手を打てるかどうかが分かれ目になります。

Q. 塗装会社が原価管理を後回しにしがちな理由は何ですか

受注と施工に追われ、原価集計は事務所の手が空いた時にまとめて行う会社が多いためです。現場監督も掛け持ちが多く、日々の入力に時間を割きにくい事情もあります。結果として原価の遅れが常態化し、決算で初めて赤字に気づくケースが起きます。

Q. 原価管理システムを導入すると現場の負担は増えませんか

入力項目が多すぎるシステムは現場の負担になりますが、LINEやスマホで発生都度に入力できるタイプなら、月末にExcelへまとめて転記する手間がむしろ減ります。導入時は入力項目を絞り、現場監督が使い続けられる形にすることが分かれ目になります。

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塗料在庫が崩壊する3つの原因と発注の断ち方

塗料在庫が崩壊する3つの原因と発注の断ち方

棚に余った塗料は開けたら未使用でも中古扱いです。捨てるに捨てられず積み上がる理由は、根性論ではなく発注の仕組みそのものにあります。


1. 棚の奥に3分艶が2缶、なぜか誰も気づかない

2. 原因① 在庫が「数字」になっていない

3. 原因② 急な買い出しの方が「安く」見える

4. 原因③ 廃棄コストが「見えない経費」だから

5. 棚卸しをやめて、発注の入口を変える

棚の奥に3分艶が2缶、なぜか誰も気づかない

外壁塗装の現場が終わって余った塗料を、とりあえず棚に戻す。これ自体は珍しい判断ではありません。

問題はその後です。次の現場で同じ色番(日塗工の番号)が出た時、棚の在庫を確認するより先に、塗料屋に電話して新品を発注してしまう。

結果、棚には開封済みの半端な量が眠り続け、発注書には毎回フルセットの数量が並びます。半年後に棚を見ると、同じような色のシリコン塗料が3缶も4缶も出てくる。これが多くの塗装会社で起きている光景です。

原因① 在庫が「数字」になっていない

在庫管理と聞くと大掛かりなシステムを想像しがちですが、実態はもっと手前の話です。

そもそも「今、棚に何がどれだけあるか」が数字になっていません。目視と記憶だけが頼りです。現場が5件、10件と重なれば、誰の頭の中にも正確な残量は残りません。

記憶に頼る限り、精度は上がらない

人工(にんく)の割り振りや工程管理は日報で追えても、資材だけは「棚を見ればわかる」という前提で運用されがちです。見ればわかるはずの棚が、実は一番ブラックボックスになっています。

原因② 急な買い出しの方が「安く」見える

在庫を数値化するには、入庫と出庫を記録する手間がかかります。歩掛(作業1単位あたりの工数)を計算するのと同じで、最初は面倒に感じます。

一方、急な買い出しは「その場で解決する」という即効性があります。監督からすれば、棚の在庫を調べて数量を突き合わせるより、塗料屋に電話して届けてもらう方が早い。

この「今日の楽さ」が積み重なった結果が、月末の請求書に乗ってくる余分な発注です。一件あたりは数千円でも、現場が10件あれば月に数万円単位の無駄買いになっているケースは少なくありません。

原因③ 廃棄コストが「見えない経費」だから

余剰在庫を捨てる時、産廃費用は別枠で計上されることが多く、資材費の無駄として認識されにくい構造があります。

塗料は開封後の保管期限もあり、希釈率の調整が難しくなった缶は結局処分行きです。この処分費が「仕方ない出費」として毎年同じように発生し続けます。

誰も悪くないのに、誰も止められない。これが放置され続ける最大の理由です。担当者を責めても、仕組みが変わらなければ同じことが翌年も起きます。

棚卸しをやめて、発注の入口を変える

数値化を「棚卸し作業を増やすこと」だと捉えると、現場は必ず反発します。監督も職人も、事務作業を増やしたくて塗装業をやっているわけではありません。

断つべきは棚卸しの頻度ではなく、発注する瞬間の判断材料です。発注する時に「今どの現場にどの色番がいくつあるか」がその場で見えれば、電話する前に手元で答えが出ます。

私たちイーテクノスも、もともとは塗装会社として同じ悩みを抱えていました。現場ごとの在庫が決算まで見えず、余剰も欠品も後から気づく状態が続いていたのです。

棚に何本あるか聞かれて、見に行かないと答えられないのが当たり前でした。

そこで開発したのが、LINEで発注すれば在庫と紐づいて記録されるAngaです。特別なアプリを覚える必要はなく、普段のLINEのやり取りの延長で、棚の中身が数字として残っていきます。

棚を見て考える前に、手元の画面で答えが出る。それだけで、急な買い出しも余剰廃棄も、少しずつ減らせます。

よくある質問

Q. 塗料の在庫管理はエクセルでも十分ですか

件数が少ないうちは十分ですが、現場が増えると入力が追いつかず更新が止まりがちです。発注のタイミングで自動的に記録が残る仕組みでないと、結局は目視確認に戻ってしまいます。

Q. 余った塗料はどこまで保管しておくべきですか

開封後は希釈済みの状態や保管環境で劣化が進むため、色番と開封日を記録し、次回同じ現場が半年以内に見込めない場合は早めの使い切りか処分判断をおすすめします。

Q. 在庫管理を始めるなら何から手をつければいいですか

棚卸しから始めるより、まず発注のたびに何をどれだけ使ったか記録する仕組みを作ることが近道です。発注の入口で数字が残れば、棚卸しの手間そのものが減っていきます。

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塗料在庫、二重発注と欠品が同時に起きる理由

塗料在庫、二重発注と欠品が同時に起きる理由

倉庫を見て「まだあるな」で発注する会社ほど、同じ色を二重発注し、別の現場で在庫切れを起こします。紙・Excel・専用アプリ、どれが自社に合うのか比較で答えます。


1. 倉庫を見て把握する会社が、なぜ同時に余剰と欠品を起こすのか

2. 紙・Excel・専用アプリで比較すると差がはっきり出る

3. 表だけでは見えない「共有のしやすさ」の差

4. どの手段を選んでも変わらない「運用ルール」の話

倉庫を見て把握する会社が、なぜ同時に余剰と欠品を起こすのか

外壁塗装を10件同時に回している会社の倉庫には、20kg缶が何十本と並びます。ND-4050の缶とND-4060の缶が隣り合っていれば、パッと見で区別できる人はそう多くありません。

見た目の量で「まだ足りる」と判断しても、それは合計量であって現場ごとの割り当てではありません。A現場向けに確保していた缶を、B現場の職人が知らずに使ってしまう。これが余剰発注と在庫切れが同時に起きる最大の理由です。

発注担当者は倉庫を見て発注し、現場監督は現場を見て「足りない」と騒ぐ。両者が見ている場所が違う時点で、感覚での在庫把握はもう機能していません。

紙・Excel・専用アプリで比較すると差がはっきり出る

同じ「在庫を把握する」という業務でも、手段によって手間もミス率もまるで違います。まずは表で全体像をつかんでください。

手段 手間 ミス率 共有のしやすさ コスト
紙の台帳 記入は簡単だが転記・集計に時間がかかる 高い(記入漏れ・書き間違いが起きやすい) 低い(台帳が1冊しかなく複数人が同時に見られない) ほぼゼロ円
Excel 入力は事務所での手作業が中心 中程度(入力遅延で実態とズレやすい) 中程度(ファイル共有は可能だが同時編集に弱い) ほぼゼロ円(ただし作成・保守の人工がかかる)
専用アプリ 現場からスマホで即時入力できる 低い(入力と同時に全員へ反映) 高い(事務所・現場・元請けで同じ数字を共有できる) 月額費用が発生

表だけでは見えない「共有のしやすさ」の差

紙の台帳が崩壊するタイミング

紙の台帳は、書く人が1人なら回ります。崩れるのは現場が増えて、複数人が同時に在庫を動かす瞬間です。

倉庫番の職人が休みの日に、別の職人が缶を持ち出すと、台帳への記入が翌日に持ち越されます。その1日のズレが、発注担当者の頭の中の在庫数を狂わせます。

Excelが「結局誰かの手作業」に戻る理由

Excelは紙より計算が楽になりますが、入力は結局人力です。現場から事務所に戻ってから入力する運用だと、リアルタイム性は紙とほぼ変わりません。

関数でアラートを組んでも、入力が漏れれば意味を持ちません。Excelは「集計を楽にする道具」であって「入力を楽にする道具」ではないという点が見落とされがちです。

専用アプリで変わるのは入力の手間そのもの

専用アプリの強みは、現場でスマホから缶数を打つだけで、事務所の画面にも同じ数字が反映される点です。倉庫番と発注担当者と現場監督が、同じ数字を同時に見られます。

希釈率や標準塗布量から使用量を逆算する機能があれば、感覚ではなく数量で在庫を語れるようになります。

どの手段を選んでも変わらない「運用ルール」の話

手段を変える前に、決めておくべきことがあります。誰が・いつ・どの単位で在庫数を更新するか、というルールです。

アプリを導入しても、現場から「あとで入れます」が続けば紙と同じ結果になります。逆に紙でも、毎日夕方に1人が必ず集計する運用なら、そこそこ機能します。

手段そのものより、更新の頻度と担当を固定できるかどうかが分かれ目です。私たちも自社の塗装現場で、色番を間違えて余分な缶を発注した経験があり、そこから在庫を数量で見える化する仕組みを作りました。

専用アプリのAngaは、現場からスマホで在庫を更新でき、色番ごとの残量が事務所からも見えます。倉庫を見なくても、画面を見れば今どの現場に何缶あるか分かる状態を目指して作ったツールです。

倉庫見て『まだあるな』って言った次の日に、現場から電話で足りませんって言われるんですよ

よくある質問

Q. 塗料の在庫管理はExcelだけでも十分ですか

現場が2〜3件で、入力担当が1人に固定できるなら十分に機能します。ただし現場が5件を超えて複数人が在庫を動かすようになると、入力漏れとズレが増え、Excelの集計機能を活かせなくなります。

Q. 在庫管理を始めるなら何から手をつければいいですか

まずは色番ごとに現在の在庫缶数を数え直すことから始めてください。感覚値をリセットして正確な数量を把握しないと、紙でもアプリでもその後の運用が最初からズレたまま進んでしまいます。

Q. 専用アプリは職人が使いこなせますか

入力項目を色番と缶数だけに絞ったアプリであれば、スマホ操作に慣れていない職人でも数分で覚えられます。操作項目が多いアプリほど現場で使われなくなるため、シンプルさを基準に選ぶことをおすすめします。

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塗装見積もりが赤字を生む理由、Excel手計算の限界

塗装見積もりが赤字を生む理由、Excel手計算の限界

外壁の平米数を目視で出し、Excelに手打ちする。その見積もりが、赤字受注の入り口になっているとしたら。原因は担当者の腕ではなく、見積もりの作り方そのものにあります。


1. 症状:見積もりは合っているのに、現場は赤字になる

2. 原因1層目:目視×Excelは、経験値がそのまま誤差になる仕組み

3. 原因2層目:塗料使用量は「標準塗布量」だけでは読めない

4. なぜ今まで放置されてきたのか

5. どうすれば断てるか:計算を人から切り離す

症状:見積もりは合っているのに、現場は赤字になる

足場を組んだ後で「思ったより面積が広かった」と気づく。破風や軒天の塗り分けを見積書に入れ忘れる。中塗りの塗料が1缶足りず、急遽別の現場から回す。

どれも塗装会社なら一度は経験がある話です。見積もり自体の計算は間違っていないのに、着工後に採算が崩れる。これは担当者のミスというより、見積もりの立て方に構造的な穴があるサインです。

築30年のマンション改修のような大型案件では、面積の出し方1つで数十万円単位のズレが生まれます。現場が10件同時に動いていれば、見積書の見直しだけで月に何時間も溶けていきます。

原因1層目:目視×Excelは、経験値がそのまま誤差になる仕組み

塗装面積の算出は、図面の平米数から開口部(窓・ドア)を引き、立面ごとに係数をかける作業です。ベテランなら暗算でも大きく外しませんが、この「勘」はExcelのセルには残りません。

新人が同じ現場を見積もると、係数の選び方ひとつで数値が変わります。ケレン(下地処理の削り作業)の範囲や、見切り部分の追加吹付けなど、現場ごとの個別事情も同様です。

Excelは計算はしてくれますが、判断はしてくれません。判断を人に依存している限り、担当者が変われば見積もりの精度も変わります。

原因2層目:塗料使用量は「標準塗布量」だけでは読めない

カタログに載っている標準塗布量は、あくまで平滑な面を想定した数値です。実際の外壁は劣化度合いや下地の状態で吸い込みが変わり、希釈率も現場ごとに微調整します。

この「現場補正」を経験と勘でやっている会社ほど、塗料使用量の見落としが起きやすくなります。3分艶の仕上げを指定されたのに、必要缶数を標準値のまま計算してしまい、追加発注で利益が消える。よくあるパターンです。

なぜ誰も気づかないのか

1件1件の赤字は数万円単位で、致命傷には見えません。だから見積もりの作り方を疑わず、「次は気をつけよう」で終わらせてしまいます。原因が仕組みではなく個人の注意力にすり替えられ、放置され続けます。

なぜ今まで放置されてきたのか

塗装業界には、見積もりソフトを入れるより先に「うちは長年この方法でやってきた」という実績が優先される文化があります。ベテラン監督の勘は確かに精度が高く、それが逆に問題を覆い隠してきました。

しかし今、状況は変わりつつあります。職人不足や資材高騰、中東情勢による原油・ナフサ供給不安が重なり、2026年に入ってから塗装工事業の倒産件数は前年同期比で増加しています。利益率の薄い赤字受注を繰り返す余力は、もう業界全体に残っていません。

後継者問題を背景に、中小塗装会社と大手のM&Aや事業承継も進んでいます。属人的などんぶり勘定の見積もりは、事業承継の場面でも「引き継げない経営」として不利に働きます。仕組み化は生き残りの条件になりつつあります。

見積もり自体は合ってるのに、なんで現場終わると赤字なんだって毎回思ってた

どうすれば断てるか:計算を人から切り離す

根本の対策は、面積計算と塗料使用量の算出を「人の記憶」から切り離すことです。図面データから面積を自動算出し、下地状態や希釈率の条件を入力すれば必要缶数まで出す。そういう仕組みに置き換えるだけで、担当者による誤差はほぼ消えます。

私たちイーテクノスも、もともとは塗装会社として現場を回してきた立場です。代表の井上自身が、面積の出し方ひとつで利益が消える経験を何度もしてきました。だからこそ、経験と勘に頼らず精度を出せる見積もりソフト「Anga」を自社の現場のために作りました。

見積もりソフトを入れることは、ベテランの勘を否定することではありません。勘を仕組みに変換して、誰が作っても同じ精度の見積もりが出せる状態にすることです。それができて初めて、赤字受注の連鎖を断てます。

よくある質問

Q. 塗装工事の見積もりソフトを導入すると、Excelとの一番の違いは何ですか?

最大の違いは、面積計算や塗料使用量の算出を人の判断に頼らず自動化できる点です。Excelは数式通りに計算しますが、係数や希釈率の設定は人が入れる必要があります。ソフトなら条件入力だけで、担当者が変わっても同じ精度の見積もりが作れます。

Q. ベテラン監督の勘に頼った見積もりの方が精度が高いのでは?

経験豊富な監督の勘は確かに精度が高い場合が多いですが、その人が抜けた瞬間に精度も失われます。仕組み化された見積もりソフトは、ベテランの判断基準をルール化して残せるため、属人化のリスクを減らせます。

Q. 小さい塗装会社でも見積もりソフトを導入する意味はありますか?

むしろ現場数が少ない会社ほど、1件の赤字受注が経営に響きやすい傾向があります。職人不足や資材高騰が続く今、少人数でも精度の高い見積もりを出せる仕組みは、規模に関係なく必要性が高まっています。

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一人親方への手渡し払い、改正建設業法で違反リスク

一人親方への手渡し払い、改正建設業法で違反リスク

「あの職人とは10年の付き合いだから」。その口約束が、今は法律違反になるかもしれません。改正建設業法の下請取引ルールを、手順に沿って確認します。


1. Q. うちは一人親方に手渡しで払ってるだけ。何がまずいのか

2. 手順1|発注前にやること:一人親方との取り決めを書面化する

3. 手順2|発注のやり方:LINEでも記録が残る形にする

4. 手順3|支払い後の確認:未払いを防ぐチェック体制

5. それでも記録が回らない会社への選択肢

Q. うちは一人親方に手渡しで払ってるだけ。何がまずいのか

改正建設業法で焦点になっているのは「しわ寄せ防止」です。元請から下請、下請から一人親方へと下りるほど、支払い条件が曖昧になりやすい構造にメスが入っています。

口約束と手渡しの何が問題かというと、証拠が残らない点に尽きます。金額・支払日・工事内容を書面かデータで残していないと、未払いが起きたときに「言った言わない」で終わります。

実際、外壁塗装の現場で「今月は資材が高くて厳しいから来月まとめて」と口頭で伝え、そのまま3ヶ月延びたケースは珍しくありません。職人側は角が立つのを恐れて催促できず、関係が静かに壊れていきます。

手渡し自体が違法なわけではありません。ただし記録が残らない支払い方法は、改正法が求める「取引の適正化」と真逆の方向を向いています。

手順1|発注前にやること:一人親方との取り決めを書面化する

つまずきポイント:口頭で「いつもの単価で」と済ませる

最初の一手は、金額・支払期日・支払方法を発注前に文書化することです。長年の付き合いだから省略していい、という発想が一番危険です。

手順は次の3つです。

  • 工事内容と単価(歩掛ベースの人工代か、平米単価か)を書面に落とす
  • 支払期日を「月末締め翌月末払い」など具体的に決める
  • 一人親方本人にも同じ内容を確認してもらい、控えを渡す

ここでよくある失敗が、単価だけ決めて支払期日を曖昧にすることです。「忙しくなったら払う」という運用は、下請代金の遅延を招く典型パターンです。改正建設業法は、この「期日の曖昧さ」自体を問題視しています。

手順2|発注のやり方:LINEでも記録が残る形にする

書面が面倒なら、LINEでもかまいません。大事なのは「後から見返せる形で残す」ことです。

  • 発注内容(現場名・作業日・単価)をテキストで送る
  • 一人親方から「了解」の返信をもらう
  • スクリーンショットか自動保存で記録を残す

つまずきポイント:電話で発注して記録が一切残らない

雨で工程が崩れ、急遽別の現場に振り替えるとき、電話一本で済ませてしまう会社は多いはずです。急ぎだからこそ、後から「あの日は何て言ったか」で揉めます。

電話で発注した場合も、直後に「先ほどの件、〇〇現場・〇日・単価〇円でお願いします」とLINEを1通打つだけで、証拠が残ります。この一手間を惜しむかどうかが、未払いトラブルの明暗を分けます。

手順3|支払い後の確認:未払いを防ぐチェック体制

支払って終わりにせず、月次で「誰に・いくら・いつ払ったか」を突き合わせる仕組みが要ります。

  • 月末に発注記録と支払記録を並べて確認する
  • 差異があれば翌月頭に本人へ連絡し、その場で解消する
  • 半年に一度、支払いサイト(支払いまでの日数)が延びていないか見直す

現場が10件を超えると、発注書と支払いの突き合わせだけで月に何時間も溶けていきます。手作業でExcelを追いかけていると、1件の記録漏れに気づかないまま数ヶ月経つこともあります。

塗装業界では今、資材高騰と職人不足で資金繰りが厳しくなり、倒産件数が増えている状況も報告されています。支払いの遅れが連鎖すると、下請だけでなく元請自身の信用にも響きます。だからこそ、支払い管理を「後回しにできるタスク」から外す必要があります。

それでも記録が回らない会社への選択肢

ここまでの手順、正直「わかってはいるけど回らない」という会社が大半だと思います。私たちイーテクノス自身、塗装会社を経営する中で、発注と支払いの記録がバラバラになって困った経験があります。

払う気はあるんだよ。でも忙しいと、いつ・いくら払ったか自分でも分からなくなる

代表の井上が「これなら現場が使える」と思って作ったのが、LINEで発注・進捗・支払いまで一本化できる管理ツール「Anga」です。LINEで送るだけで発注記録が自動で残るので、手順2で紹介した「発注内容をテキストで残す」作業がそのまま仕組み化されます。

改正建設業法への対応は、特別なシステムを入れなくても、書面化とLINE記録の徹底だけである程度カバーできます。ただ、現場数が増えて手作業の限界を感じたときは、こうしたツールも選択肢の一つです。

よくある質問

Q. 一人親方への支払いは現金手渡しのままでも改正建設業法に違反しますか

手渡し自体は違法ではありません。ただし金額・支払期日を書面やデータで残していないと、未払い時に取引実態を証明できず、行政指導のリスクが上がります。振込や記録が残る方法への移行が望ましいです。

Q. 口約束で決めた単価を後から一人親方に否定されたらどうすればいいですか

発注時のLINEやメールの履歴が証拠になります。今後は発注のたびに金額と作業内容を一言テキストで送り、相手から「了解」の返信をもらう運用に変えると、同じトラブルを防げます。

Q. 改正建設業法の対応で、まず何から手をつければいいですか

最初にやるべきは、現在の発注・支払いの流れを紙に書き出して可視化することです。口頭発注が残っている箇所を洗い出し、そこから書面かLINE記録に置き換えていくのが現実的な順番です。

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塗装発注ミスが減らない理由|目分量3つの盲点

塗装発注ミスが減らない理由|目分量3つの盲点

色番違いと数量ミス、今月も現場で謝ったのは何回目でしょうか。目分量発注をやめられない塗装会社に共通する3つの構造を分解します。


1. 症状:止まるのはいつも同じパターン

2. 原因1層目:目分量が「正式な単位」になっている

3. 原因2層目:発注ルートに検算する人がいない

4. なぜ今まで放置されてきたか:直したところで見えない

5. どうすれば断てるか:計算と記録を分業させない

症状:止まるのはいつも同じパターン

外壁塗装の現場で塗料が届いたら色番が違う。数量が半端に足りず、追加発注で工程が半日飛ぶ。よくある話です。

しかも止まる現場には共通点があります。発注者が現場監督本人ではなく、職人からの伝聞だったケースです。「あと2缶くらい」「クリマイの3分艶で」という口頭の目分量が、そのまま電話で塗料屋に伝わり、そのまま発注書になっています。

現場が10件あれば、電話とメモの往復だけで月20時間は溶けている会社も珍しくありません。人手を増やしても解決しないのは、これが「人の問題」ではなく「情報が一度も数値化されないまま流れる仕組みの問題」だからです。

原因1層目:目分量が「正式な単位」になっている

塗料の必要量は本来、塗装面積と標準塗布量(材料が単位面積あたりどれだけ必要かの基準値)と希釈率から計算できます。ところが多くの現場では、この計算が誰の頭の中にも文書として残っていません。

職人の経験値が唯一の基準になっているため、「大体1.5缶」が発注書では「2缶」になり、現場では「1缶で足りた」という食い違いが起きます。計算式がないから、誰が発注しても同じ数字にたどり着けないのです。

原因2層目:発注ルートに検算する人がいない

電話発注は「聞き返し」で成立している

電話でのやり取りは、聞いた側が復唱して初めて成立します。復唱を省略すれば、色番の桁1つ、缶数の1つが簡単に抜け落ちます。

メモは誰のためのメモか

メモ書きは書いた本人しか読めない前提で作られています。現場監督が変わった瞬間、そのメモは意味を失います。

つまり発注のフローに、第三者が数字を確認する工程が最初から組み込まれていません。ミスを防ぐ仕組みではなく、ミスが起きて当然の仕組みで発注が回っています。

なぜ今まで放置されてきたか:直したところで見えない

発注ミスによる手戻りは、工程表には「遅延」としか残りません。原因が色番なのか数量なのか、担当者の記憶が頼りで、翌月には忘れられています。

しかも塗装会社の経営は今、発注の精度どころではない外圧にもさらされています。職人不足と資材高騰に加え、中東情勢による原油・ナフサ供給不安が塗料価格そのものを押し上げていて、2026年に入ってからは倒産件数も前年同期比で増加している状況です。目の前の現場を回すだけで手一杯という会社が、発注フローの見直しを後回しにするのは自然な流れとも言えます。

ただ、後回しにした分だけ、色番違いの塗料はしっかり在庫として積み上がっていきます。

また色番違いか。誰が電話で伝えたか、もう覚えてない。

どうすれば断てるか:計算と記録を分業させない

断つために必要なのは根性ではなく、計算・記録・確認を1つの流れに乗せる仕組みです。面積から数量を自動で出し、色番と缶数がその場でテキストとして残り、発注者以外も同じ画面を見られる。この3つが揃えば、目分量が入り込む隙間がなくなります。

私たちイーテクノスも、もともとは塗装会社を経営する中で同じ壁にぶつかりました。職人ごとの言い回しの癖まで拾って計算する仕組みが必要だと痛感し、自社の現場で使うために作ったのがAngaです。LINEで数量を伝えるだけで、面積計算から発注書作成まで一本化できます。

電話とメモを完全になくす必要はありません。ただ、最後の検算だけは人の記憶に頼らない仕組みに置き換える。それだけで、色番違いの塗料が倉庫に積み上がる未来は防げます。

よくある質問

Q. 塗装の発注ミスはなぜ減らないのですか

目分量の数量が計算式として文書化されず、電話やメモという検算されない経路で発注に流れているためです。人を注意深くしても、数字を確認する工程自体がフローに存在しなければミスは繰り返されます。

Q. 色番違いの発注ミスを防ぐ具体的な方法はありますか

発注時に色番・缶数・現場名をテキストで記録し、発注者以外も同じ内容を見られる状態にすることです。復唱や検算の工程を仕組みに組み込むことで、聞き間違いや書き間違いを減らせます。

Q. 発注管理システムを導入する余裕がない場合はどうすればいいですか

まずは電話発注でも必ず数量と色番を復唱し、その内容をメモではなくチャットなど残る形式で共有するだけでも効果があります。仕組み化の第一歩は、記録を個人の頭からデータに移すことです。

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追加工事の書面漏れで是正指導、42日現場の実例

追加工事の書面漏れで是正指導、42日現場の実例

下請契約書に工期と代金しか書かず、追加工事の書面を省いた築28年マンション改修。1次下請への指導が入り、元請との関係が揺らいだ現場の記録です。


1. 築28年・14戸マンション、工期42日の下請契約

2. 追加工事が発生した瞬間、書面が追いつかなかった

3. 是正指導が入り、元請との信頼が揺れた

4. 是正後、書面のタイミングをどう変えたか

5. 書面化を仕組みにする、という選択肢

築28年・14戸マンション、工期42日の下請契約

舞台は郊外の分譲マンション、14戸、築28年の外壁改修です。

元請から一次下請として塗装会社Aが受注し、工期42日、人工にして延べ84人工、シリコン系塗料で下塗り・中塗り・上塗り合わせて計38缶(16kg缶換算)を発注する規模でした。

下請契約書は工期と請負代金だけ記載し、支払時期や検査完了日を明示していませんでした。

社長は「業界紙で改正建設業法の記事は読んだ」と話していましたが、条文の細部までは把握していませんでした。

追加工事が発生した瞬間、書面が追いつかなかった

足場を組んで下地処理に入った10日目、外壁のクラックが想定より深く、シーリング打ち替えの範囲が当初見積もりの1.5倍に広がりました。

現場監督は電話で元請の担当者に相談し、口頭で追加5日・追加人工12人分の了承を得ました。

ここが問題でした。

改正建設業法では、追加工事が発生した時点で工期・代金の変更内容を書面で明示する義務があります。

ところがAの会社は「あとで請求書にまとめて出せばいい」という感覚のまま、変更契約書を作らずに工事を進めてしまいました。

工期は最終的に47日まで延び、追加人工12人分、追加塗料4缶が発生しましたが、この時点で書面は一切残っていませんでした。

是正指導が入り、元請との信頼が揺れた

工事完了から2か月後、元請の定期監査で下請契約書一式の提出を求められました。

ここで追加工事分の変更契約書が存在しないことが発覚し、下請契約に関する是正指導を受けることになりました。

何が足りなかったのか

  • 追加工事発生時の書面による契約変更
  • 支払時期の明記
  • 検査完了日の記載

この3点が抜けていたことで、元請からは「今後の発注を見直す可能性がある」とまで言われてしまいました。

社長にとって一番こたえたのは、金額の大小ではなく「書面を残す文化がなかった」と指摘されたことでした。

84人工分の現場を回しながら、口頭の約束を後から書面に落とし込む余裕は、正直なところなかったというのが本音です。

追加の口約束、あとで書けばいいと思ってたのが甘かったです

是正後、書面のタイミングをどう変えたか

指導を受けたあと、Aの会社は追加工事が発生した「その日のうち」に変更内容を書面化するルールに変えました。

現場監督がその場でスマホから変更内容を打ち込み、工期・代金・支払時期の3点を必ず記録する形です。

次の現場、築15年の戸建て10棟の外壁塗装(工期21日・28人工)では、雨で3日工程がずれ込んだ際も、その日のうちに変更書面を作成し、元請にも即日共有できました。

結果として是正指導は一度も入らず、元請からの追加発注も継続しています。

書面を「あとでまとめる」から「その場で残す」に変えただけで、指摘される理由がなくなったというのが、この現場が教えてくれたことでした。

塗装工事業では2026年に入ってからの倒産件数が前年同期より増えているという業界の動きもあり、書面管理の甘さが元請との取引縮小に直結しかねない時期に入っています。

書面化を仕組みにする、という選択肢

現場を回しながら、追加工事のたびに契約書を作り直すのは正直しんどい作業です。

私たちイーテクノスも塗装会社を経営する中で、口頭の変更が積み重なって書面が追いつかなくなる感覚を何度も味わいました。

その経験から、現場ごとの工期・代金・追加内容をその場で記録し、書面として残せるツールAngaを作りました。

監督がスマホで入力するだけで変更履歴が残るので、是正指導のきっかけになりやすい「書面の抜け」を減らせます。

まずは今動いている現場の追加工事1件分だけ、書面のタイミングを見直すところから始めてみてください。

よくある質問

Q. 改正建設業法で下請契約に追加された書面明示の義務は何ですか

工期や請負代金だけでなく、追加工事が発生した際の変更内容についても、その都度書面で明示することが求められています。口頭合意のまま進めると、後日の監査で是正指導の対象になりやすい点に注意が必要です。

Q. 是正指導を受けるとどんな影響がありますか

直接の罰則よりも、元請からの信頼低下や今後の発注見直しにつながる点が実務上は深刻です。特に下請契約が多い中小塗装会社では、書面管理の甘さが取引継続に直結するケースが増えています。

Q. 追加工事の書面はどのタイミングで作ればいいですか

追加工事の内容が確定した当日、もしくは元請と口頭合意した直後に作成するのが安全です。まとめて後日作成するやり方は、記録漏れや日付のずれを招きやすく、是正指導の原因になりがちです。

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塗装業の原価管理、赤字が現場後にしか分からない理由

塗装業の原価管理、赤字が現場後にしか分からない理由

塗料の使用量も人件費も現場が終わるまで分からない。この状態を放置すると、儲かる現場と赤字現場の区別がつかず、会社全体の利益率が静かに削られていきます。


1. 決算書を見て初めて赤字に気づく会社

2. 紙・Excel・専用アプリ、どこで差がつくのか

3. 表で見る、3つの手段の違い

4. 改正建設業法で「後回し」が通用しなくなる

5. 記録の手間を減らした先にあるもの

決算書を見て初めて赤字に気づく会社

外壁塗装の現場が終わって請求書を出し、材料屋への支払いを済ませ、それでも「この現場、儲かったのか」と聞かれて即答できない社長は少なくありません。

理由は単純です。塗料の使用量は現場ごとにメモや職人の口頭報告に頼り、人件費は出面(現場ごとの出勤日数)を月末にまとめて集計する。どちらも現場が終わるまで、いや決算が近づくまで数字が出てきません。

築30年マンションの改修と新築の外壁塗装では、下地処理の手間も希釈率も歩掛もまるで違います。ところが原価管理を後回しにしている会社では、この2つの現場を同じ「工事」として売上だけで見てしまいます。結果、実は赤字だった現場を来期も同じ条件で受けてしまう。これが利益率を下げ続ける構造です。

紙・Excel・専用アプリ、どこで差がつくのか

原価管理をやろうとした会社が最初にぶつかる壁は「どの手段で記録するか」です。紙の現場帳票、Excelの原価管理表、専用アプリ。どれも「記録する」という機能は同じですが、現場目線で見ると差は歴然です。

紙は書く手間そのものが職人の負担になります。ケレン(下地の錆や旧塗膜を削る作業)や吹付作業の合間にメモを取る余裕がある職人は多くありません。結果、記録が抜けたり、後から記憶で埋めたりして、数字の精度が落ちます。

Excelは事務所に戻ってから入力する運用になりがちです。現場と入力の間に時間差が生まれ、色番(日塗工の番号など)や使用量の記憶違いが起きやすくなります。しかも複数現場のExcelファイルを社長が一つひとつ開いて見なければ、儲かる現場と赤字現場の比較ができません。

専用アプリは現場でその場に近い形で入力でき、社内の誰が見ても同じ画面で現場ごとの原価が並びます。共有のしやすさとミス率の低さが、紙・Excelとの決定的な違いです。

表で見る、3つの手段の違い

どの手段が自社に合うかは会社の規模や体制によりますが、まずは客観的に並べて比較してみます。

手段 手間 ミス率 共有のしやすさ コスト
紙の帳票 現場で書く負担が大きい 記憶頼りで高い 社長が集めて回る必要あり 印刷代程度で低い
Excel 事務所での入力作業が発生 入力時の記憶違いが起きやすい ファイルを開かないと見えない ソフト代のみで低い
専用アプリ 現場でその場に入力できる 入力ルールが統一され低い 全員が同じ画面をリアルタイムで見られる 月額利用料がかかる

改正建設業法で「後回し」が通用しなくなる

2025年12月施行の改正建設業法では、労働者の待遇改善が求められ、人件費上昇への対応が経営課題として明確になりました。契約書の記載事項も厳格化され、著しく短い工期の禁止や、天候・下地状況といった塗装特有のリスク情報の提供義務も新たに規定されています。

これは裏を返せば、原価を把握していない会社ほど価格転嫁の根拠を示せず、適正な請負代金への変更交渉ができないということです。人件費がいくら上がったのか、現場ごとの歩掛がどう変わったのかを数字で説明できなければ、元請との交渉の場に立てません。

倒産件数が増えている今の業界状況では、原価管理の後回しは単なる社内の課題ではなく、会社が生き残れるかどうかの分岐点になっています。

記録の手間を減らした先にあるもの

原価管理を仕組み化する目的は、社長の手間を増やすことではありません。むしろ逆で、記録の手間を減らしながら、儲かる現場と赤字現場を見分けられるようにすることです。

私たちイーテクノスは塗装会社を経営する中で、まさにこの「現場が終わるまで原価が分からない」状態に苦しみました。代表の井上自身が現場を回しながら、塗料の使用量や人件費をリアルタイムで把握できる仕組みが欲しくて作ったのがAngaです。

現場が終わってから儲かったか分かるんじゃ、遅すぎるんですよね

紙やExcelでの管理に限界を感じている会社であれば、現場ごとの原価をその場で記録し、社内で共有できるアプリという選択肢を検討する価値があります。

よくある質問

Q. 塗装業で原価管理が後回しになりやすいのはなぜですか

現場作業が優先され、塗料の使用量や人件費の記録は「後でまとめて」になりがちだからです。紙やExcelでは現場と入力の間に時間差が生まれ、記憶違いや記録漏れが起きやすく、結果として決算まで現場ごとの利益が見えない状態が続きます。

Q. 原価管理を始めるなら紙・Excel・アプリのどれがいいですか

現場数が少なく職人も限られる会社なら紙やExcelでも運用できますが、現場が増えるほど共有の手間とミス率が課題になります。複数現場を並べて儲かる現場と赤字現場を比較したい会社は、専用アプリの方が向いています。

Q. 改正建設業法は塗装会社の原価管理にどう関係しますか

2025年12月施行の改正建設業法により、人件費上昇への対応や契約内容の明確化が求められます。原価を把握していないと価格転嫁の根拠を示せず、元請との請負代金の交渉が不利になるため、原価管理の仕組み化が急務になっています。

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月末請求書待ちが赤字現場を生む理由

月末請求書待ちが赤字現場を生む理由

月末に請求書が揃って、初めてその現場が赤字だったと分かる。この順番を変えない限り、赤字現場は止められません。現場ごとに都度原価を見る手順を、明日から使える粒度で解説します。


1. なぜ「月末に分かる」が手遅れなのか

2. 手順1:現場ごとに「原価の箱」を作る

3. 手順2:発注・出面のたびに「その日」入力する

4. 手順3:現場が7割終わった時点で一度見る

5. 手順4:赤字傾向が見えたら、次の受注前に止める

6. 手順5:月1回、全現場を並べて振り返る

なぜ「月末に分かる」が手遅れなのか

外壁塗装の現場が同時に8件動いていると想像してください。塗料の使用量、下請けの人工(1日あたりの作業量)、資材の追加発注。これらの請求書が事務所に揃うのは早くて現場完了の2〜3週間後です。

つまり赤字が確定するのは、その現場がもう終わった後です。次の現場の見積りは、赤字の原因が分からないまま同じ歩掛(作業1単位あたりの工数)で組まれます。赤字現場を止められないのではなく、止める判断をする材料が届く頃には現場が終わっているのです。

塗装工事業の倒産は2026年1月〜4月で前年同期より増えています。職人不足と資材高騰、原油・ナフサ供給不安が重なり、どんぶり勘定の会社ほど利益が薄い現場を積み重ねて資金が持たなくなっています。原価管理は経理の作業ではなく、会社を続けるための手順です。

手順1:現場ごとに「原価の箱」を作る

最初にやることは、案件番号や現場名で原価を分ける箱を作ることです。塗料代、シンナー・希釈材、足場代、養生材、下請け人工、自社人工、諸経費の7項目で十分です。

Excelでもノートでも構いません。ここでつまずくのは、複数現場の資材をまとめて1回で発注してしまい、後からどの現場にいくら使ったか分からなくなるパターンです。まとめ買いする場合は、発注メモに現場名と数量の割合を必ず書いておきます。

手順2:発注・出面のたびに「その日」入力する

月末にまとめて入力するのをやめて、発注した日、職人が現場に入った日にその都度入力します。塗料屋に電話した直後、現場監督が出面(誰が何日入ったか)を確認した直後がタイミングです。

つまずきやすい入力ミス

色番(日塗工・N80など)の読み違いや数量の書き間違いは、後から見返しても気づきにくいものです。発注した本人がその場で入力すれば、値段と数量の記憶が新しいうちに正確な数字が残ります。

入力を後回しにする会社の多くは「まとめて入れた方が早い」と考えますが、実際は1件ずつ思い出す作業のほうが時間がかかります。

手順3:現場が7割終わった時点で一度見る

完成を待たず、進捗7割の時点で使った原価と請求予定額を並べます。ここで見積り時の予算と実際のズレが初めて見えます。

雨で3日工程が流れて、下請けを別日程で入れ直した現場は、この時点で人工が予算超えしていることが多いです。7割で気づけば、残り3割の工程で仕上げ品質を落とさずコストを抑える判断ができます。月末に気づいても、もう打つ手がありません。

手順4:赤字傾向が見えたら、次の受注前に止める

7割時点で赤字傾向の現場が出たら、その原因を次の見積りに反映するまで新規受注の見積り条件を変えません。これが「赤字現場を止める」の実態です。止めるのは現場ではなく、同じ条件での受注です。

2025年12月施行の改正建設業法では、請負代金の変更方法の明確化と、著しく短い工期の禁止が新たに規定されています。人件費が上がっている前提で価格転嫁の仕組みを契約書に落とし込んでおくことが、これからの受注条件になります。

労働条件改善で人件費が上がる以上、従来の歩掛のままの見積りは赤字の温床になります。原価管理で気づいたズレを、契約書の記載事項にまで反映させる会社が、法改正後も生き残ります。

手順5:月1回、全現場を並べて振り返る

月末は集計の場ではなく、振り返りの場に変えます。7割時点で見た現場の実績と、完成後の最終原価を並べて、どの項目でズレたかを確認します。

ここでのつまずきは、赤字の原因を「資材高騰のせい」で終わらせてしまうことです。同じ現場条件でも、発注のタイミングや職人の割り付け次第でズレは縮められます。原因を項目単位まで分解して初めて、次の見積りに反映できます。

この手順を紙とExcelでやろうとすると、入力する人の手間が結局月末に集中してしまいます。私たちイーテクノスも塗装会社を経営していて、現場ごとの利益が決算まで見えない状態に長く苦しみました。その経験から、LINEで発注や出面を送るだけで現場ごとの原価が都度分かるツール「Anga」を作りました。

手順2の「その日入力」を仕組み化したいなら、まず7日間無料で試してみてください。

完成してから儲かったか分かるんじゃ、次の見積り直せないんだよな

よくある質問

Q. 塗装業の原価管理は何から始めればいいですか

現場ごとに原価を分ける箱を作ることから始めます。塗料代・足場代・人工などの項目を決め、発注や出面のたびにその日入力する習慣をつければ、月末集計に頼らず現場の途中で赤字傾向に気づけます。

Q. どんぶり勘定から脱却するのに大がかりなシステムが必要ですか

最初はExcelやノートでも構いません。重要なのは入力のタイミングを月末からその日に変えることです。仕組みが定着してから、LINEなど普段使う手段で入力できるツールに移行すると負担が減ります。

Q. 改正建設業法は原価管理にどう関係しますか

2025年12月施行の改正で請負代金の変更方法明確化や工期に関する規定が強化されました。原価のズレを見積り条件や契約書に反映する仕組みがないと、価格転嫁ができず人件費上昇分を吸収できません。

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塗料在庫、紙・Excel・アプリ徹底比較

塗料在庫、紙・Excel・アプリ徹底比較

「多めに頼んどけば安心」その一言が、原油高騰の今は欠品と過剰在庫を同時に招きます。塗装会社が抱える在庫管理の限界を、3つの手段で比較します。


1. 倉庫の棚に18缶残っていた話

2. 紙・Excel・専用アプリ、何が違うのか

3. 改正建設業法が在庫管理にも波及する

4. 属人化を抜け出す一歩は小さくていい

倉庫の棚に18缶残っていた話

ある協力会社の倉庫で、使われないまま2年放置されていたシリコン系塗料が18缶見つかったことがあります。担当者はもう退職していて、誰も理由を知りませんでした。

「多めに発注しておけば現場が止まらない」。この判断は一見正しく見えます。ですが原油高騰で塗料価格が動く今、多めの発注は在庫コストをそのまま膨らませます。同時に、別の現場では同じ色番の在庫が足りず、急ぎ発注で割高に仕入れる。同じ会社の中で欠品と過剰在庫が同時に起きるのは、決して珍しい話ではありません。

原因は単純です。在庫の把握が特定の担当者の頭の中にしかないからです。担当者が休めば、現場監督は「多分足りるだろう」で発注し、結果として読みが外れます。

紙・Excel・専用アプリ、何が違うのか

在庫管理の手段は大きく3つに分かれます。紙の在庫台帳、Excelの管理表、そして専用アプリです。

どれも「在庫を記録する」という目的は同じですが、更新の速さと共有のしやすさで差が出ます。紙は現場から事務所に戻らないと更新できません。Excelは誰かが入力し忘れると即座に古い情報になります。アプリはスマホから現場で入力でき、他の担当者もリアルタイムで見られます。

差が生まれる理由は「入力までの距離」です。入力の手間が1つでも増えると、忙しい現場では後回しにされ、結局は記憶頼みの属人化に戻ってしまいます。

手段 手間 ミス率 共有のしやすさ コスト
紙の台帳 記入・転記に時間がかかる 高い(記入漏れ・二重発注) 事務所に戻らないと見えない 低い(台帳代のみ)
Excel管理表 入力は早いが更新忘れが起きやすい 中程度(古い情報での判断) 共有フォルダ次第だが同時編集に弱い 低い(既存ソフト活用)
専用アプリ 現場からスマホで即入力 低い(履歴が自動で残る) リアルタイムで全員が閲覧可能 月額費用がかかる

改正建設業法が在庫管理にも波及する

2025年12月施行の改正建設業法では、契約書への記載事項が厳格化され、著しく短い工期が禁止されました。天候や下地状況などのリスク情報を契約段階で明記する義務も加わっています。

これは在庫管理とも無関係ではありません。工期が明確になれば、必要な塗料の量も逆算しやすくなります。逆に言えば、在庫が「なんとなくの勘」で管理されている会社は、工期の見積もり自体が甘くなりやすいということです。

人件費上昇への対応も同時に求められる中、在庫の無駄を減らすことは、価格転嫁の根拠を示す材料にもなります。

多めに頼んどけって言うけど、結局どっちの現場も足りなかったんだよな。

属人化を抜け出す一歩は小さくていい

在庫管理を一気に完璧にする必要はありません。まずは「誰が見ても今の在庫数がわかる状態」を作ることが出発点です。

実際、資材高騰と職人不足が重なり、2026年に入ってから塗装工事業の倒産が前年より増えている状況があります。無駄な在庫や急な欠品による追加コストは、体力の少ない会社ほど重くのしかかります。

選ぶ基準は「現場での入力しやすさ」

紙やExcelがダメというわけではありません。ただ、現場からその場で入力できない仕組みは、結局は誰かの記憶に頼ることになります。

私たちイーテクノスも塗装会社を経営する中で、在庫が担当者の頭の中にしかない状態に何度も困ってきました。開発したのは代表の井上です。現場の職人がLINEで発注内容を送るだけで在庫と発注履歴が残るAngaは、そうした経験から生まれた仕組みの一つです。

完璧な管理システムを探すより、まずは今の発注のクセを誰でも見える形にすること。そこから欠品と過剰在庫の両方を減らす一歩が始まります。

よくある質問

Q. 塗料の在庫管理はExcelだけで十分ですか

小規模で現場数が少なければExcelでも運用できます。ただし現場から離れた場所での入力になりやすく、更新が遅れると在庫数と実際の残量がずれます。現場が5件を超える会社は、入力のしやすさを見直す時期かもしれません。

Q. 在庫管理を属人化させないためにまず何をすべきですか

担当者以外も在庫数を確認できる状態を作ることが最初の一歩です。紙でもExcelでも構いませんが、更新のタイミングと入力ルールを決めて、誰が見ても同じ情報にたどり着けるようにすることが出発点になります。

Q. 原油高騰で塗料の発注量はどう見直せばいいですか

多めの発注は価格変動リスクへの備えになりますが、過剰在庫と資金繰りの負担も増やします。現場ごとの使用実績を記録し、必要量に近い発注へ段階的に見直すことで、欠品と過剰在庫の両方を減らせます。

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